「も…ちださ…」
苦しそうに声をだす椿くんがなんだか可笑しくって思わず笑いがこぼれた。
俺の下で首を軽く絞められて苦しそうにしてる様は仮にもETUの7番を背負ってる男には見えなかった。
「ねぇ椿くん」
首への力は強めずにただ声だけ少し強い感じで言っただけなのに椿くんの身体は驚くくらいびくついた。
「こわい?」
「…こわく…ないっ…す」
嘘つき。
今にも泣きそうな顔してさ、身体が小さく震えてるのが首をしめてる腕を通して伝わってくるし、このままもっと強くしめたらどうするんだろうね。見てみたいよ。
にっこり笑って手に力をこめると面白いくらい一瞬だけ身体が大きく上へあがった…のにそれ以降椿くんは微動だにしなくってただただ苦しい顔を浮かべてたえるだけだった。
「抵抗してよ」
また腕にぐっと力をいれる。
自分の親指が椿くんの喉を潰して奥へとおしこんで他の指は爪をたてて首を持ってやると椿くんは声にならない声をだした。
その声が聞き取れなくって「なに?」と聞くと、いきなり腕を掴まれた。
本当に突然引っ張られて身体のバランスを崩してしまって首をつかんでいた手が離れて倒れこみそうになるとそのまま椿くんが俺の背中に腕をまわして抱きしめてきた。
「…つばき…くん?」
ゲホゲホと咳をして無理に呼吸をととのえる椿くんの音を耳元で聞きながら起き上がろうと必死に力をいれたけど背中にまわされた手のせいでうまく起き上がれない。
力では勝てないのか、それとも椿くんが若いからなのか、諦めてそのまま力をゆるめて椿くんの上にのった
「…持田さ…」
顔さえ見てないけど耳元に聞こえる声は震えていて泣いてるのがわかった。
「…す…きで…」
この状況でそんなこと言えるなんてやっぱドMなんだろうね椿くん。
泣き虫でチキンで口下手なくせに俺のこと好きとかいって本当にイライラする。
「俺は嫌いだよ」
ぐしゃぐしゃになった顔から流れる涙をベロリと舐めてやった。
愛してる?そんなわけない
(愛し方なんてわからない)