酒はのんでもの続き。





一時間もたってしまえば赤崎の顔も少しは赤らみてきた。椿は相変わらず至って平凡。帰ってきた石神に清川石浜、戻ってきた宮野も加わり先ほどよりはペースがおちてきていた
赤崎が無言で立ち上がりトイレへと向かうと同時に石神がもう何本あけたかも覚えてない焼酎を空にした。
「あ、なくなった。」
次を頼もうとしたが流石にずっと同じものを飲み続けていた為か少し飽きてきている自分がいた。
「ちょっと酒でも変えるか」
とメニューをパラパラとめくる
「ワインとかはどうですか?」
ひょいっと石神の横に熊田が顔をだす。
「おっ熊じゃん」
「おっ。じゃないですよ、ガミさん……上田くん説得するの大変だったんですよ本当」
チームの飲み会とはいえ流石に未成年を連れてくるわけにもいかず熊田が上田の説得係に任命されていたのだった。
「他にも来てない選手とかもいるし問題になって困るのは上田くんだけじゃないんだよ。でようやくですよ」
熊田がはぁ、とため息をついた。
「顔だけだして自分もすぐ帰るって約束したんで大丈夫だとは思うんですがね…」
余程大変だったのだろう熊田が遠い目をしながら苦笑いをしている。ご苦労様と石神が声をかけた
「って話ずらしてすみません。今まで焼酎飲んでたならワインとか洋酒とかでいいじゃないですか」
確かにと石神がメニューをみるがワインについての知識などまったくない
「だれかワイン詳しい奴」
勿論周りも。
「……王子とか?」
清川がボソッと口にすると「流石キヨ」と石神と石浜の声がハモった
「でも王子来てないですよね」
宮野が周りを見渡す。あまり居酒屋を好まない王子が基本的に飲み会に来ることはなかった。
「あ、」
急に何かを思い付いたかのように石神が他の席へと向かった。
「ドリさーん」
そこには緑川と堀田先程潰れた丹波と黒田杉江そして村越がいた
「どうした?」
「王子の番号知りませんか?」
「ジーノ?……悪い知らないな」
「そうっすか…」
緑川なら王子の番号さえも知っているのではないかと淡い期待をだいたが……すると村越が口をひらいた
「何につかうんだ?」
「え」
「ジーノの番号」
「あ…ワインについて聞こうかと」
石神の発言に村越が携帯を取り出しどこかに電話をかけた。すぐに繋がったのか「俺だ」と発し少し話すと石神に携帯を渡した携帯を受けとると聞いたことのある声
王子だった。村越が王子の番号を知っていることには触れないようにし王子におすすめを聞くと色々とウンチクだの文句だのを聞かされ最終的に赤ワインを選んでもらった。
すぐに赤ワインを注文し村越にお礼をいって携帯を返し席に戻ると一分ほどで店員が赤ワインを持ってきた為人数分赤ワインを注ぎ乾杯をした。
急に椿が立ち上がったと思ったら高い声で笑いだした。いきなりのことに一緒にのんでいたメンバーは何がおきたかわからない。その声が聞こえたからか赤崎が顔色をかえて駆け足で戻ってきた。
「ちょ…こいつ何のみました!?」
「…え……何ってワイン」
しまったと言う顔を赤崎がした
「……こいつウイスキーとかワインとか弱くって飲むとって……説明してる場合じゃ」
「てっ……てめぇ」
時すでに遅し、黒田の叫び声が店内に響いた。視線の先には杉江に抱きついている椿
「つ……椿?」
「えへへー杉しゃあーん」
椿を剥がそうと黒田が必死になっている。杉江は何が起こったのかイマイチわからず仕舞いだった
「……あいつ酔うと……暴れるんです。スギさん!!椿のことおさえて…」
危険を察知したのか椿がひょいっと杉江の身体から抜け出した。こうなると誰にも手がおえなくなる……赤崎が深いため息をした
ひゃははーと走り回る椿。殿山に抱きついて頭を撫でたと思ったら次は丹波のことを興味しんしんにつつき宮野に抱きついた。
「みーやー」
「つ…つつつつばき」
顔が真っ赤になる宮野。清川に足を捕まえそうになった瞬間ひょいっと宮野から抜け出し前に進んだ。ボフッとなにか壁にあたったと思ったら腕を捕まえた。前を見ると険しい表情をした赤崎がいた
「お前なあ……」
「……ザキしゃん…痛い…れす」
上目遣いの涙目で見つめられた
「あ、わりぃ」
簡単に手を離す赤崎。椿がひょいっと赤崎から離れていった、周りのみんながバカサキーと怒鳴った。
椿が入口に向かう。流石に外にでたらまずいと皆が必死にとめようとしたその時入口のドアがひらいた。
「いやー遅れてごめんなー飲んでる?」
入口には達海と後藤が立っていた
「ん?椿じゃん。なに?お出迎え?」
達海が椿の肩をぽんと叩くと椿の顔がみるみると赤くなっていった
「あ…あ…おお…お疲れさまっす!!」
深々とお辞儀をした。
「ん?あぁお疲れ」
状況を把握してない達海が椿の肩をポンポンと叩いた。

この人が監督でよかったとチームメイトの心がひとつになった瞬間だった






旧拍手文2
かきたいCPをごちゃまぜに
いれてました(゜∇゜)
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