「あれ?遼にい」
駐輪場で聞き覚えのある声に呼ばれた。
後ろを向くと案の定大介が立っていて思わず笑いそうになった。
「珍しいね帰りかぶるの」
そう言いながら近くにとめてある自分の自転車をとりだそうとした。
一緒に住んでるといっても学年は違うわけだし常に一緒にいるわけではない確かに部活がないときにこうやって会うのは珍しい。別にこのまま帰ってもいいがなんとなく勿体無いと思ったし見たいCDもあった。
「ちょっと寄り道してくか」
自転車に乗っているときに声をかけると大介が顔をこっちに向けてうなずいた…危ないから前みろって
「遼にい何みてるの?」
気になっていたCDを何枚かみていると店内をうろうろしていた大介が横から覗いてきた為ジャケットを見せるとなんとも言えない顔をした。まぁ、あんまり知名度のないバンドばっかりだし知ってるほうが珍しいか
「絶対似合う」
なんて店員も戸惑うほどのべた褒めをされると悪い気はしないな、なんて。大介にお前は見ないの?って聞いたら普段あまり服をみないなんて言うから一緒に見てやった。
ゲーセンでUFOキャッチャーやってみたけど俺も大介も下手くそで結局なにもとれなかった。まぁ面白かったからいいけど
「どうせだし飯食ってくか」
今から作るのもだるいし、近くのファミレスに二人で入った。夕食時の店内、思ったより客は少なくて広めの席に案内された。
パラパラとメニューをめくるが実際ファミレスなんか行くとだいたい同じメニュー頼むんだよな、俺。それはどうやら大介も同じようで直ぐに店員を呼んでオーダーをした。
料理が運ばれてきてしばらくはお互い特に会話もせずに食べていた。ほとんど食べ終わったところで大介が口をひらいた
「なんか変な感じ」
「…なにが?」
「だってさ、ついこないだ遼にいと久しぶりに再会して今こうやって一緒にいて…あ、勿論俺が望んだからなんだけど…な…なんていうか…えっと」
口をもごもごさせながら下を向く大介をみて懐かしさが込み上げてきた。…小さい頃もよくやってた癖。
「し…信じられない…っていうか…その…う、嬉しくって……それに今日、またいろいろと遼にいのこと…知れて…」
…大介顔真っ赤。
それって、そういう意味だよな?いや勘違いかもしれないけど…そのさ…顔が熱くなるのが自分でもわかった。
「……CD」
「え…?」
「家ついたらオススメ…貸す」
「あ…ありがとう遼にい」
ぱっと顔をあげて笑った大介を見て懐かしさよりも愛しさが込み上げてきたのはまだ秘密にしとこうと思う。


















ひかる☆様
ありがとうございました(*^^*)
二作押し付けすみません(;_;)
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -