どうも子供扱いされてる気がするんだよね
「上田くん」
ほら
「……なんスか」
「監督がこのあと…」
肝心の熊田さんの話なんてまったく俺の耳には入ってこなかった。たぶんこの後ちゃんと聞いてた?なんて聞かれるにきまってる
「上田くん。ちゃんと聞いてた?」
ほら
そりゃあ俺はまだ18なのかも知れないけどさ別に先輩達とたかだか4つ5つ年齢が離れてるだけなのにさ
「返事は?」
「はーい」
「伸ばさない」
「……はい」
なーんか子供扱いされてる気がして仕方がないんだよなぁ……俺だけ君づけだし、話し方も子供に話しかけるような感じだし
「俺もう子供じゃないっス」
あ、やべ。
思ってたことが口に出るんだから俺もまだまだ子供なんだなと思いながら熊田さんの顔を見るといきなり大きな手で頭をわしゃわしゃされた。いや髪の毛崩れますから
「知ってるよ」
なんて笑いながら俺の頭を撫で続ける
いやだからこういう子供扱いをね止めてほしいんだよね。言いそうになった言葉をのみ込んで熊田さんの顔を再度見上げる
「じゃあなんで君呼びなんスか」
普段半開きなんじゃないかと思うたれ目が少し真ん丸くなった
「…確かに、まぁそうだね」
すっと撫でていた俺の頭から手をどけると少し考え込みだした
「ごめんね、けんとくん」
いきなり名前を呼ばれたことよりも結局君呼びだってことよりも名前を知られていたって事実がなんだか頭に残って自分でもわからないけど顔が熱くなるのを感じた
「なっ……いっいきなり名前とかなに考えてるんですか」
……かみかみ……なんかかっこ悪、あははと熊田さんが笑ってごめんごめんなんて俺の頭をまたわしゃわしゃしだした。
「気を付けるよ、上田」
なんていつもみたいな目で言われたからなんだか妙に恥ずかしくなって当たり前っすなんて言って誤魔化した。
顔か熱い、なんだこれ、きっとまた子供体温だなんて笑われるなと思ってばれないように両手で頬を隠して熊田さんを睨んでやった。俺よりも全然大きい熊田さんを見ていつか絶対に抜かしてやると思ったのは言うまでもない












ウエクマあくまでもウエクマ
大人な熊田さんと
子供な上田くん的な感じが好き
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