「あっれ―、椿じゃん」
わざとらしく達海が声をあげた。
外はもう暗い、息抜きに外にでもでようと思い窓からピッチをみると、どうやら先約がいたみたいでその先約が誰か直ぐにわかると小走りで夢中でボールを蹴っている椿のもとに向かった。
そして今に至る。
「!!、かかか…監督!?」
声に気づき椿が顔を達海にむけた。顔は真っ赤…尚且つ足下は先ほどまでスムーズに蹴っていたとは信じられないほど見事にボールを空ぶった。
「あ―…悪い悪い。」
「い…いえ…す、すみません。すぐ…その…帰るんで…すみません」
椿が急いでボールを片付けようとした
「いやいやいや、なんでそうなるの椿」
「だ…だって…こんな時間までボール蹴ってたから…えっと…怒られるのかと」
暗い中でも椿が慌てているのが達海にはよくわかった。
「怒んね―よ。ただあんまりやりすぎて怪我なんかすんなよ?電気もつけないでさー」
「すすす…すみません…。」
「謝るなって」
「う…ウス!」
少しの間お互い動かずにただぼーっとしていたと。ふいに達海がくちをひらいた
「どうした椿」
「へ」
達海が椿の足元にあるボールを指差した
「続けていいよ」
「え…あ、ウス。」
慌てたようにボールを蹴りだす椿。足下がおぼつかない
「あらら、ごめん。邪魔したね」
ひらひらと片手をあげて達海がクラブハウスに戻ろうとすると椿がそれを呼び止めた
「あ…あの…えっと…も…もう少し…ここ…こここここ…ここにいてくれませんか…?」
「……だって俺いたら椿練習にならないじゃんか」
別にふてくれたわけでなくただ単純にそう思っていた。しかし椿に会いたいって思っていたし練習してる姿をみて駆け出してる自分がいたのも事実だった。
「い…いや…その…べ…別に練習は…いいいいんです…ただ」
「ただ?」
「ここにいれば監督に会えるかな…なんて考えてたんです」
椿の発言に一瞬達海の目が見開いたと思うとにひっていつもみたいな笑いを浮かべた
「……それはどういう意味で?椿?」
「え…えっと…その…」
「おしえて椿?」
「う…う―」
真っ赤な顔で椿が唸ってる。
そんな椿を見て達海自身も顔が火照ってきていたまだまだだな、俺も。なんて思いながら達海が椿のほうに近づいた。

















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