(タツバキ)
ふわふわゆらゆらとそれはまるで、
「くらげ見たい」
そんな一言で達海と椿は一緒にくらげを見に行くことにした。
と、いってもさすがに海まで行くことはできずにちいさな水族館へと向かうことにした。
ガタゴトと電車がゆれる
平日だからか車内の人はまばらで達海は浅く座席に座りながら思い切り足をのばした。
「くらげってさあ」
「?」
「小さい頃投げなかった?」
さらっと問題発言をする達海に椿が思い切り首を横にふる
「…波に流されながらさ、結局そうやって投げられて、なんか、あれだよね」
ぼそりと達海が言った言葉が本当にくらげにむけて言った言葉だとはなんだか思えなかったが椿にはその先の話を聞く勇気はなかった。
なおしたいな、本当。
浅くため息をついて窓から見える景色を眺めながら椿が口をひらいた
「でも、楽しかったんじゃないっすかね」
「え?」
「流されても、気持ちよくって…えっとその…うまく言えないん…すけど…」
「…んーん、ありがとね椿。」
ぽんと椿の頭に自分の左手をのせる達海の顔を見ながら椿が安心したように笑った、
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