女主 | ナノ


▼ ストイックとは

「はぁ……」
「やつれてますねえシェゾさん。いつもは私が語ってばかりのような気がするので今日くらいシェゾさんのお話を聞いて差し上げてもいいですよう」
「おまえいつの間に……最近の俺のストレスは7割型お前に対してだぞ」
「残りの3割は私ではないんですねえ。今日私に話してそれが少しでも軽くなるというのならそれはまた良いことではないですか?」
「……それもそうかもしれない」



「アルルのことなんだがな」
「どうせそうだろうと思いましたヘンタイ」
「ヘンタイ言うな。俺があいつの魔力を求めてることは知っているだろう」
「気持ちが悪いのであんまり知りたくないですが知ってますよ」
「お前……」
「うふふう」

「ぷよぷよの腕とかは俺が負けることも多い気がするがほぼ互角だ。どれだけ追い詰めても最後の最後で力を手に入れられなくてな」
「ヘタれたんですねわかります」

「ヘ、ヘタ……いや、いざ魔力を手に入れようというときに、別に今度でもいいだろうとか思って手を抜いてしまうような気がしてならない。今ここで邪魔が入らないかとか、そう無意識のうちに考えているようなのではと最近思ってな。そうか俺はヘタれているのか……」
「対したことないだろうと思ってましたが割と深刻に悩んでてキモいですマジキモい」
「ああキモい」
「あのシェゾさんが……同意しただと……!?」


「好きな異性のお友達への愛の告白を拒んでしまうのは、今の関係が楽しくて、もし告白してこの関係が壊れてしまったらどうしよう!とか思うからなんですよ」
「アルルの魔力を奪うことによって、今の関係が壊れてしまうことを俺が恐れていると言いたいのか?俺はそんな乙女じゃないし、大体あいつは友達でもなんでもないぞ」
「オトメンいや乙女ですよう、女子力高いでしょ。女々しすぎて気色悪いので半径3メートル以内に入らないでいただきたい」
「それはこっちの台詞だ!」

「あとは力を奪ってヘンタイ呼ばわりされるのが死ぬほど嫌とかですか?もう言われてますけどねえ、うふふ」
「確かにヘンタイと呼ばれるのは死ぬほど嫌だな。既に呼ばれているのがなんとも解しがたい俺はヘンタイじゃない」
「言動に気を使えばいいだけのお話ではないですかあ。そしたら容姿と相まってさぞかしモテるでしょうにね」
「言動に気を使うだとか、お前だけには絶対に言われたくないな」



「もうよろしいのですか?」
「あんまり考えても答えは出ない気がするんだ。何も考えずいつも通りに力を狙うとしよう」
「うわあヘンタイ」
「ヘンタイ言うな。……その、聞いてくれて助かった。ありがとう」


「キャラ崩壊とかやめてください」
「酷い言われようだな!まぁいつものことだけどな!!」

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