「あっ、」
「あれ、ナマエだ」
「よ、よう」
「なんだか久しぶりだね！元気にしてた？」
「お、おう。アルルたちこそ、どうなんだ？」
「ぼくはいつでも元気だよ！」
「ぐー！」
「そうなのか。ならいいんだ…えっとじゃあおれ、ちょっと用事があるから！またな！」
「え、そうなの？…あ、行っちゃった」


「せっかく久々に会ったから、ぷよ勝負しようと思ってたんだけどなぁ」えぇわかってました聞こえてますごめんなさい。
だってアルルってめちゃくちゃ強いだろ、それに比べておれはよくドラコに勝負してもらうけど勝ったことが一度もなくて、おれにしては好きな子に負けるなんてかっこ悪いを通り越して死ぬほど恥ずかしい。
そう、おれはアルル・ナジャが好きです。もちろん片思いだけど文句ありますかごめんなさい。

あのあほのサタンのように告白（正しくは求婚）して振られるでもなく、おれは告白なんてできてないしできないしする予定もない。大体本人の前でうまく喋れない。
この時点でおれはあのおっさん以下なのだ。強さとかじゃなく。

というかおれには前科がある。


「兄ちゃんのボケ！！」
「なんだか知らんがやつあたりはやめろ」


なんと、まさか、これとなしに、おれの兄はあのヘンタイ魔導士シェゾ・ウィグィィなのである！
これのどこが前科だと？おれがシェゾの弟に生まれてきたことが処罰である！世も末だこのやろう！

申し遅れましたおれがナマエと申しますそして認めたくないことにウィグィィ姓です兄ちゃん死ね！！


「なんだかものすごい悪口を言われている気がする」
「うるっせーヘンタイ！」
「誰がヘンタイだ！俺のことはありったけの敬意を込めてお兄さん様と呼べ！」
「ドン引きしたわシェゾ・ウィグィィ……助けて！ここにヘンタイがいます！」
「弟にフルネームで呼ばれる兄とか余所余所しすぎて悲しくなるだろう！それに今のは別に普通だろうが！」
「うるせー！兄ちゃんの睾丸爆発しろ！」
「おいやめろ！」

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