放課後。
ここのところ特に補習続きのアミティはなんとかこの状況を挽回しようと、クルークに頭を下げて勉強を教えてもらっていた。
皮肉と嫌味を交互にネチネチ言うのでぷよ勝負で勝ったら教えて、という条件で勝負をしたらあっさり勝てた。案外口ほどでもない。

「あ…」
「あ？」

急に手を止めてこちらを透視してくるクルークに、アミティはご自慢の頭でどうしたんだろうと考えた。

大変だ、クルークが起動停止しちゃった！
きっと電池切れなんだ！充電してあげなくっちゃ！
でもクルークのエネルギー源ってなんだろう？本？レムレス？もしかしてメガネ？
あ、わかった！恋人のナマエだ！
でもでも今はナマエはいないから、あたしが応急処置をしなくちゃいけないかなぁ？どうすればいいんだろう？
とりあえず声をかけてみよう！

「おーい、クルーク？どうしたの？電池切れ？だ、だいじょぶ？」
「大丈夫なわけあるか…！！」

あ、喋った。
と思ったらクルークは目に涙を溜めてこちらを指差す。
え、なに？え？あたし？！な、なにか悪いことしたかな！？

「なんで…！なんでナマエがシグとあんなに仲睦まじく歩いてるんだ…！」
「え？！」

どうやら原因はアミティではなかったらしい。
後ろを振り返ると、窓の外には虫取り網と虫取り籠を持った#name3#とシグが歩いている。

「ナマエはやっぱりボクよりも、シグのことが好きなんだ…！」
「なんでそうなるのー！？」

膝を抱えて完全に泣き出したクルークに、アミティはなんと声をかけて良いのか困ってしまった。キノコが生えてるように見える。
うーん。どっからどう見ても、ただ一緒に遊んでいるようにしか見えないけどなぁ…。

でも、それ以上にナマエがクルークのことを好きだということも、知っていた。

そのことをクルークに伝えればいいのだが、いかんせんクルークというものは人の話を聞かない。いや、それは大体みんなであるのだけど。
中でもクルークはたいそうな癇癪持ちである。下手に伝えると怒り狂ってこっちまで巻き添えを食らってしまうのはいただけない。もう十分巻き込まれているけれど。
それに、落ち込みすぎてキノコを生やしたクルークとこのまま一緒に居るのも嫌だ。アミティはなんとか慰めるよう勤めることにした。

「あたしは、ナマエはクルークがいちばん好きだと思うよ！っていうか絶対そうだよ！」
「そうだとして、なんでナマエがシグと一緒にいるんだよ…」
「あの装備はムシ取りだよ！一緒にムシ取りしてるだけ！やましいことはなんにもないよ！」
「いやだから問題なのは、ナマエが、ボクになにも言わずに、シグと、二人で、ムシ取りに行ってるってことだろ！？」
「そうなの！？」
「そうだよ…！」

そう言ってクルークはめそめそを続行した。心なしかキノコが増えた気がする。赤紫色とかどくどくしい色ばっかりだ。
クルークはぼそぼそと「大体アミティに勉強を教えていなければ…こんなことには」言い出したし、なんか標的がこちらに向かってきた。もうアミティの手には負えない。

「もう助けてナマエー！今すぐ来てー！！」




「このカブトムシ、クルークにあげたら喜ぶとおもうか？」
「知らない。たぶん喜ばない。からちょーだい」
「自分が欲しいからってでたらめ言うんじゃありません」





木賊「ヤキモチ妬きまくるクルークください」
私「いいよ！」
全然ヤキモチ妬いてないがな
でも楽しかった

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