男主 | ナノ


▼ 物で釣ってはいけません

これなんてデジャブ?

昼休み、購買へバターロールを買いに行こうと廊下を歩いていただけなのに今度は見知らぬ女子生徒に絶賛道を塞がれ中である。
エロゲ主人公ささき家長男はずっとポケットに手をつっこんでたけど、この子は両手をいっぱいいっぱいに広げてとおせんぼをしている辺り悪意丸出しだ。
なんだろう、昨日今日の出来事なのにもう慣れた。


「ストップストップ。そこの出来れば一生引きこもってゲームをしていたい系の少年、これ以上の進行は認めません。止まりなさーい!」
「失礼すぎる呼び名はさておきもう止まってるから手を元の位置に戻した方がいいと思うよ。他の通行人が困ってらっしゃる」
「なんと!」

見知らぬ女子生徒は慌てて他の生徒に謝っている。
なんか喋り方からは真面目な印象を受けるがこの子絶対どっか抜けてる。
ささきさん家のまぐろ君もちょっと変だと思ったけどこの子も絶対変な人だ。
あれ俺変人に絡まれまくってない?


「私の方が先に挨拶に伺おうとしてたのに、いつの間にやらまぐろくんが先にコンタクトを取っているなんてずるいと思います」
「やっぱりあいつの知り合いか!」


「せっかくお家まで挨拶に行ったのにお片付けを理由に私と会うことを拒んだミョウジナマエくんに、私はほんの少々の恨みを抱いているんだよ」

「…うっそん」

日曜日に家に来た女の子ってこの子だったのか。
いや確かに同じ学校だろうと思っていたけど、エンカウント早すぎだろ…気まずい。
でも女子生徒は全然そんなこともない様子だ。

「なんだか何気ない行動がとんでもないことをしでかして罪悪感に満ち溢れた表情をしているけど、大丈夫だよ。ミョウジナマエくんが私と仲良ししてくれるなら全然水に流すよ」
「なにその意味わかんない条件。仲良しって」
「もし友達になってくれるならこのバターロールを無料でプレゼントします!ちなみに最後の一個だったよ」
「乗った!」

もうこの際どうにでもなれ。バターロールのためだ。
この女子生徒はなんだかとても目立つようで、そんな子と友達になるということは俺も必要以上に目立ってしまうってことだろうけどもう仕方ない。
目立ちすぎて死ぬだなんてことはない。たぶん。


「申し遅れましたが、私はあんどうりんごといいます。よろしくね」


でもやっぱりあんまりよろしくしたくない。

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