男主 | ナノ


▼ お手伝いをサボってはいけません

トラックの荷台になんて初めて乗った。
某となりの怪獣のようなオープニングだと思ったか?
ははっ、残念だったな、窓すらなかったわ。めっちゃ暗くて怖かった。
新しく引っ越してきたここは、前に住んでいたところに比べれば少し田舎のようだ。でも生活には不便のない程度の施設が揃っている。家の場所もそれほど遠くはないから便利だと思った。

「商店街は活気がよくていいわね」
「活気いいどころか俺はあんな暗いところに長時間閉じ込められて目が開けられない。太陽がまぶしすぎるぜ…」
「あんたが乗りたいって言ったんでしょうが」

オォイエスマザー、ごもっとも。心に267のダメージ!
だってだって好奇心には勝てなかったんだ。

俺たちが新しく住む家はこのすずらん商店街の近くのようだ。
当然ながら八百屋とか魚屋があって、見て回るのはちょっと楽しい。
家でゲームするほうが楽しさは上だと思うが。
だけど買い物が楽でいいとマイマザーが嬉しそうなので何より。
俺的には騒がしいからあんまり嬉しくないんだけど!

「荷物運ぶの手伝ってちょうだい」
「へーい」

新築の家は綺麗で造りも良いと思った。新しい家特有の独特なにおいがする。
でもこの未開封のダンボールの数の方がやばい。
とりあえずある程度自分のテリトリーになるであろう部屋に運ぶとベッドに倒れこんだ。
都会っ子の体力をなめちゃいかん。疲れた寝る。

起きてからマイマザーにしばかれたのはごもっとも。

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