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▼ 読書中のおまえ

本を持つ手が薄い紙を捲る一連の動作を見ていて手がきれいだと呟いた。荒井は手を止めてでもこの手で人は簡単に殺せるのですよと中々ニヒルな笑みを浮かべて言った。
馬鹿やろう、そういうことじゃないよ。褒めただけだっての。
ありがとうございますと目だけを笑わせて言うものだから、返す言葉が見つからなくなったので好きだと言ってやった。
どうしたんだい顔が赤いよ。

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