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▼ ちゅうにびょう

飼っていた猫が死んでしまったのだと言った。おいおいカーバンクルに逃げられたからって浮気かよ。そう言うと1人は案外寂しいものなのだと言った。

「長いこと生きていて1つわからないことがある、死とは恐ろしいものなのか」
「生きてる奴に聞くことが間違いだね」
「死体は喋らないぞ」
「ごもっともだ」

ゾンビやバンシーやレイスに聞けばいいさ、でもあれらは死んでいるのであって生きているのだ。つまりサタン、お前はあれだろ、死ぬことよりも生きていることの方がよっぽど辛く恐ろしいものだって言いたいんだろ、そうなんだろ。

「アルル、いやお前やルルーやあのシェゾだって私がまばたきするうちに老いて死んでゆくのだろうな」
「大切なら箱にしまっとけ」
「それでは生きていないではないか」

俺なんかには目もくれず自嘲したように言った。
うるさいなわがままめ。助けておくれって、助けてやりたいに決まってんだろ。どうしろってんだ、このアホめ。

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