▼ アイマスごめん
それは、まぐろから発せられた一言から始まった。
「萩原雪歩は俺の嫁」
「ッ!!」
その一言を聞いた瞬間、俺には確実になにかが降りてきていた。
迷わず拳を作り、まぐろの頬に右ストレートを叩き込んだのだ。
「馬鹿野郎!!!」
まぐろはどうして殴られたかわからないみたいな、そんな驚いた表情をしていた。
俺は自分を奮い立たせる激情のまま、咆えた。
「お前はそれでもプロデューサーかッ!?担当アイドルにそんな劣情を催すなんて…Pの風上にも置けねえ!!
違うだろ!Pってもんはよ、そういうもんじゃねえだろ!!なあ!お前は……そんなことすら忘れちまったのかよ…?なぁ、まぐろ……!!」
違う!お前は完全に忘れたわけじゃないだろ!?その瞳を見ればわかる!(見えないけど)
俺の思い、どうか伝われ!そして思い出せ!まぐろ…!!
「なまえ、くん……」
「まぐろ……」
「僕が、間違ってたよ…!ごめん…。僕、最低だ……」
俯き、肩を震わせるまぐろに、俺は明るく言った。
「いいんだよ、お前が思い出してくれたならさ。俺の方こそ、殴って悪かった」
「いや…いいよ。むしろ、それでおあいこってことにしてほしいかな」
「そうか…。じゃあ最後に、一つ言っていいかな」
「ん?なんだい?」
「高槻やよいは俺の妹」
まぐろの渾身右ストレートが決まった。
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