人生もゲームもバグだらけ | ナノ


▽ 01






はて、これは一体どういうことだ……???



坂田 銀華は絶賛混乱中である。




なぜなら……









「銀華〜かぁわいいなぁ〜」









ブラックアウトしていた意識を浮上させたらいきなり見知らぬ巨人イケメンがドアップだったからである。





「あぅ!?」
(誰!?)

「んー?なんだぁ?」

「ぁーうあっ!?」
(あれ私喋れない!?)




いや、なんだぁ?じゃなくて誰ェェ!?
なんでそんなでかい!?つかなぜ喋れない!?
赤子みたいな声しか出ないんですけどォォ!!




「お、銀華が起きたのかい?」

「おう、親父。見ろよ、死ぬほど可愛いぜ」

「そりゃワシの孫じゃからな」

「俺の娘だからな」




襖が開く音がして中に入ってきたらしい人とこの巨人イケメンが会話を交わす。まぁそれはいい。
でも今の会話は聞き捨てならない。






"ワシの孫"……?

"俺の娘"……?






え……………エッ?








私は動かせない首を不思議に思いつつ手を高く上げ目をそちらへ向けると、そこにはなんとも可愛い小さな紅葉。




「うぁぁぁ!?」
(ちっさぁぁぁ!!?)

「おぉ?なんだ?どうした、銀華」

「どうしたー、銀華。じいちゃんが来たぞー」




私は未だかつて無いほどに、腹の底から叫びたかった。









一体何がなんだってんだァァァァァァァ!!!!









え?私死んだよね????









死んだはずよ???








……嘘でしょ????









こりゃあ、あれか。








転生ってやつなんですかね?







小さな紅葉になってしまった己の手を眺めた。
これは夢だと思いたい。
でも、やけにリアリティがある。




「しっかし銀華の髪の毛真っ白だな……」

「何じゃったか?ある……」

「アルビノ…だったか?遺伝子がうんたらかんたらっていわれたが全く覚えてねーや。まぁ可愛いことに変わりゃしねぇよ」

「そりゃそうなんだが」




……え、髪の毛白いの?私。
いやまぁ元々銀髪だし全然気にしないけど。
そんなことを思っていると父(自称)からおじーちゃん(自称)に今度は抱っこされ、ゆらゆらと揺らされて瞼が重くなってくる。




「銀華眠くなっとるのう」

「……可愛いなぁ」

「さっきからそればっかじゃな、お前」

「可愛いんだから仕方ねーだろ」




そんな変な親子?会話を最後に私の意識は落ちた。









どうか、次目が覚めた時にはとりあえず黄泉の国でありますように。













地獄ってのはどんなところなんだろうな。


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