絶え間なくボールを打つ音が聞こえる。

レギュラー陣の他に、部員達がコートで練習しているためあたりはとても騒がしい。
、球の打ち返しをする音、アドバイスをしている声、走る足音。


その中で常にレギュラーが使用しているコートの一つで、練習試合をしている。

仁王とそのダブルスパートナーの柳生。

後ろの結んだ髪だけでなく、動くたびに揺れる銀髪

練習試合といえど真剣な瞳の横を汗が伝い、張り付いた髪にしみながらも首筋に零れ落ちる

細い線の体に思いがちなイメージに反して振りかぶる左腕は意外にも逞しく、さすがレギュラーなだけはあるなって感心。

元々思ってたけどやっぱり仁王ってかっこいいよな

顔は勿論綺麗だしかなり整ってる
身長も高いしスラッとしてるし

他には身に纏う雰囲気だとか、幸村くんとはまた違う大人っぽさや本当に中三かよって思える程の色気がある。

普段はめんどくさそうな顔やだるそうな顔とかしてるくせに人を嵌めた時は意地悪そうに笑ったりしてるけどそういう意図がなく微笑んだり、たまに見せる真剣な顔は好きだ。

あ、今もフェイント成功してにやりってした。

……この顔もやっぱり好きかも。



「ブン太何見てるの」

「……へ?ゆ、幸村くん!?」



間近で声を掛けらればっと振り向くと真横に顔があった。
どことなく楽しそうな顔をしている幸村くんは、俺を覗き込むように俺の顔を見ていた。

驚き慌てている様をみて幸村くんは悪戯に微笑む。


「ふふっ……みてたのはアイツかな」

「え」


ちらりと見るのは例のコート。

バレてる!?
どっと背中に汗が吹き出るのを感じどう言い訳しようかなやんでいると


「あ、ブン太先輩やっと気がついた?」


と赤也が近づいてきた。
ちょっと助かったって感じてしまう。


「さっき声かけても無視されたんでびっくりしたっすよー」


だがその言葉に俺もびっくりすることになる。

それほどに俺は仁王に見とれていたのか、と。

自覚すると顔が熱くなっていくのを感じるそれを隠すため首に掛けていたタオルで強引に汗を拭いた。


「悪い、ちょっとぼーっとしてた」

「無視じゃないってわかったんでよかったっす」


そう明るく笑う赤也になんだか救われる思いになって髪をがしがしと撫で回してやった。


「わっ!ちょっ先輩やめてっ」

「ははっいいじゃねぇか別に!」


なんてふざけあってると


「そこ、休憩終わりだよ。ブン太はジャッカルとAコート入って。赤也は柳とCコートに」

「「はーい」」


と言われそれぞれのラケットを片手にコートに入る。


その時にすれ違い様に仁王と柳生が休憩に入っていったのが目に入った。










知らずのうちにお前を目で追ってしまう。


アイツがが好き過ぎて、周りが見えなくなっている。








(どうしてくれるんだ、バカヤロウ。)








110404




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