俺は仁王が好きだ。

何故?

んなのしらねーよ
つか人を好きになるのに何故もくそもないだろぃ?

そもそも俺自身がなんであいつを好きになったのかわかってねーし


俺は男が好きって言う人間じゃない。

基本女の子が好きだし今でも女の子の方が好きだ。

でも仁王は別で。

なんだかアイツを見てると自分が女の子になってるような気分になる。

女々しい自分は嫌だ。
それに胸を締め付けるようなこの感覚は苦しいし。

だけどそれを心地よく思ってる自分もいるわけで……。


「あーっもう!」


がしがしと頭をかきながら唸ったその声はむなしく空に吸い込まれていく

昼休みの屋上

昼寝をするのに丁度いい暖かさの陽射しが俺に降り注ぐ。


「はぁー」


もうどうでもいいや

ぽすんと壁に凭れたかかる。

だらんと腕から力を抜けば微睡み始める思考。




仁王は男だし

タブルスのパートナーでもないし

よくわかんないヤツだし

喋るようになってからはすぐに俺をからかうし

子供扱いするし

可愛いって言うし

詐欺師なのは本当にコート上だけなのか?って感じだし。



あいつじゃなくていい理由はいくらでもある




なのに…




あいつが好きなんだ





ぼんやりとした頭でそうかんがえて……
















「ん……」


途切れた意識が戻る

いつの間にか眠ってしまっていたようだ。

うっすらと開けた目をパチリと瞬かせる。






「あ、起きた」






は?

と顔を上げればバチリと目が合った。



「におっ……!?」



そこにいたのはあの仁王。



「ブンちゃんの寝顔可愛かったのぅ」



と頭を撫でてくる。


かぁーっと顔が熱が集まる。



「おまっ、いつからいたんだよ!」



混乱した頭のまま怒鳴るように聞き返せば、少し考えたような表情をして



「んー、20分位前?」

「うぇ」



あり得ねー

そんな長い間見られてたかも知れないのかよ…



「そんな落ち込まんでも、ちゃんと可愛いかったぜよ。」



項垂れる俺をみて何を思ったのか仁王が笑いかけた。
そしてその顔に不覚にも胸がどきりと高鳴った。



「〜〜〜っ!!」




ときめかされて悔しい。

だけど最後にやつは言った。








「女の子みたいで」









(くそっ!避けんな!)
(痛いのはいやじゃし)

ふりあげた腕は簡単にかわされた。

110322



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