だがそれは違うことをさしていたことを昼休みになると嫌でもわかることになった



「…………なんで」



なんでこんなに混んでんだ!!?




いつもとは違い明らかに人の量が多い

この時間普段も購買を利用する量は増えるのは分かっていた

しかし、しかし…



「この量は異常だろい……」



日常的に購買を利用している者だけでなく弁当をもっているものや食堂を利用している者たちもいて大混雑だ

なんだと思いながら辺りを見回すと見慣れた銀髪が視界に入った


「これなんなんだよ」


近寄り聞けば今日は新商品の発売日らしい
皆のリクエストしたものが入るらしくそれを買いにみんな来ているんだとか

こりゃ戦争だな…

同じく購買で昼を買うつもりだった仁王がポリポリと頭を掻く


「まぁよか。昼抜きでも」

「バーカ!んなことで済ますから偏食に拍車が掛かるんだよ!!」

「やけ、こじゃんとおるきに」


人混みを指差す仁王

確かにあの中に突撃するのはなかなか勇気がいることだ

だが……


「俺が行ってくるよ」


そう言うと仁王は驚いた顔をして。


「ピヨッ…マジで」

「マジ。つーかお前人混み苦手なんだろ?そこで待っとけ」


…よく見とるんやね、と言われ俺天才だから?と笑う

まぁ料理担当って言って弁当作れなかった俺にも責任あるし


「いってくる」


そう言って人混みへ入っていった



(うぜぇーー!!!)



必死に商品に食らいつこうとする生徒達もすごい勢いなのだが…
女子達が一番すごかった

立海のレギュラーは歴代人気者である
だからイベントとかことあるごとに女子達が押し掛け、大変なことになるのだ

しかし人気なのはイベントだけでなく日常でもあるらしく

女子の黄色い声も混じり、これほどレギュラーになったことを後悔したことはなかった

回りも巻き込んでのもみくちゃ状態だ


(本当に回りの男子には悪い)


二人分の昼食を確保するために我慢するがみんなも必死に購買の人へと呼び掛ける

あれ…女子達がうるさい分俺不利じゃね

今更気付いた


(だけど負けてられねーか!!)


そう思いこちらも気合いをいれる



「うわっ……!!」



が、人混みの波に押され転けそうになる


(転ける……!!)


しかし衝撃はこず、代わりに背後から支えられていることに気付いた


うるさく上がる黄色い声


「大丈夫か?丸井」



そう仁王だ



「お前、待ってろって…」

「そういう訳にもいかんじゃろ」


助けられた自分は言い返せない

朝時間なかったのも自分のせいじゃし、自分のせいで怪我されるのもいやじゃと呟いた仁王
……俺も仁王の立場だったらいやだな


「とりあえずさっさとやるぜよ」

「おう」


そんな感じでやっとの思いで食料を確保し。

人混みから出るときに仁王がぐいっと引っ張ってくれ無事に購買を後にすることが出来た



柳が言ってたことはこれだったのか……



……まぁとりあえず



「明日は絶対弁当作ってこよ」





















「という感じだ。俺的には“共闘”していた様見えたな」

「そ。まぁ合格…かな」

「報告は以上だ」

「柳、ありがとう」

「ああ、じゃあな」

「また」


ピッと通話を終了する



うん…いい感じなんじゃないかな
早速次の指令を考えないとね

携帯を使用するために出た屋上に風が吹く

………さて、次は何にしようかな


なんて悪戯な笑みを浮かべているならともかく、優しく笑う彼をきっと誰も知らないだろう












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