誰もいない教室

正しくは俺達以外がいない教室


放課後、夕日色になっていく淡いオレンジに室内が染められる



「…………」

「…………」



コート整備のため部活は休み

稀にしかないフリーの放課後

赤也やジャッカルは今ごろゲーセンにでもいって放課後を有意義に使っていることだろう
……いや、ゲーセンに行くことが有意義かは分からないが


自分の席に座ったまま頬杖をついて窓の外をみる丸井

赤い髪や、あの大きな瞳が橙色の陽に当てられいつもとは違う発色になっていた

その丸井と同じように外を見ている自分もきっと同じようにオレンジに染まっているんだろう


「…………」


交わされる言葉は一つもない


沈黙が支配する




ふいに彼の方を向いたら、ばっちり目と目が合う


でも驚きはお互いになくて、見つめ合った




「……………」




沈黙の時間は、嫌いだ





だってこう見つめあってるとその唇にキスをしたくなるから

ふいっと逸らされたその瞳に俺を映させたくなるから




手を出して、全てが壊れてしまうのが怖いから








だから、










時間よ、止まれ













(でも、今のままじゃ満足できない)



110410




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