「あたっ」


仁王が声をあげる

おそらく、いや確実にそれは俺のせい
俺は仁王の胡座をかいている上に向かい合って座って抱きついていた
仁王も俺の背中に腕を回していて絶賛イチャつき中

特に続く会話もなく、だからといって気まずい訳でもなく…非言語的コミュニケーション。スキンシップ的な。多分。

まぁそんな感じで心地よい時間を過ごしていたわけだけど、ふと顔を当てていた肩に目が止まる
男にしては白くて、でも広くて、それよりもっと薄い色の髪が映える肩

仁王は着痩せするタイプだと思う

あんまり食べないからやせ形ではあるけど、やっぱり服を着るとそれが更に増す
っても普段服を着て生活するわけなんだからどうしようもないんだけどさ

でも実はレギュラー、しかも立海のってこともあり結構たくましい身体つきだったりする

性格同様ちゃっかりしてるよほんと

まぁそんな話は置いといて

俺はその肩にかぷりと噛みついた訳だ
もちろん軽く。甘噛みくらい
突然のこともあり対してそう感じてなくても口から痛いと出てしまったんだろうな

それをわかっているから続行
肩に軽く歯を当てかぷりかぷり


「どしたんブンちゃん」


くすぐったいのか少し肩を動かして小さな笑いを含んだ声が降ってくる

耳にしみる、優しくて低めな大好きな声
耳だけじゃなくそれを感知した脳までが幸せ色に染まっていくのを感じた


「んー……」

「こそばいなり」

「多分あいじょーひょーげん」

「多分なん?」

「……多分?だから我慢しろ」

「…ようわからんのう」


うん、自分でも意味が分からない
けど続ける


「にゃー」

「猫?」

「犬だったら怖い」

「ぶんにゃん」

「うわーないわ」


気まぐれで鳴いてみれば仁王があほなことを言い出した
自分はそれに笑いながら返す


「でもブンちゃんは気分屋やけ、強ち猫でも間違いないじゃろ」

「お前も気分屋じゃん」

「俺はいいの。」


なにがいいんだ、なんて呟くと両肩を持たれ身体を離される

自分の身体を支えるためにこちらも仁王の肩に手を掛けると目と目が合う距離になっていた

色素の薄い色

それが俺は大好きだ
でも彼の目は不思議な目だ

仁王に見つめられると落ち着く
でもドキドキする
何でも話しそうになる
でも何も言えなくなる

そして吸い込まれそうになる

まるで引き寄せられるように顔を近づければ互いに瞳を閉じて

重なる唇

何度も重ねて激しくなっていくキスの合間に吐息と囁きを洩らす


「好き…大好き…」

「愛しとうよ…」

「…俺も」


深くなる口づけ

唇が離れ熱い吐息を交わしながらまた見つめ合う


「にゃー」

「ブンちゃんかわええ」

「可愛いとかゆーな」

「って言うわりには嬉しそうじゃけど?」

「うっせぇ」

「まーなんて生意気な猫」

「何、お仕置きでもする?」

「まさか」


挑発的に見上げればくすりと笑う



「イイコトするだけじゃ」



次には背中にベッドの柔らかい感触を感じた












にゃんにゃんしましょう









(ぶんにゃんは発情期なり)
(とりあえず殴っていい?)
(おーさっきまでにゃんにゃん啼いてたんは誰じゃ)
(だれ?)
(ほぉ。ならもう一回するか)
(すみませんでした)





110619
2月22日までまつべきネタ。多分連発は敢えてです




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