『おかえり』




彼が帰ってくる。

『…』

10年前、皆を振り返ることを決してしなかった。
でも優しさが溢れた背中でここを出ていった彼が。

彼がどうして出ていったのか、それは今でもわからないけど。

『…』

廊下で一人寂しい顔をしていたのも…

フィールドで時々ボールが追えなくなる瞬間も…

それに必死で抗っていたことも…

何時だかその目に、静かな覚悟が見えるようになっていたことも…


僕は知ってたよ。
だから、君が出ていった時怒りなんてなかった。

ちょっとだけ寂しかったけどね。

『…』

でも、でもね?
君がどんなに遠くに居ても。立場が変わっても…
僕たちは同じ白と黒のボールを追っかけてる。

それだけで嬉しかったんだ。

だっていつか、もしかしたら、そしたら絶対…

君にまた会えると思ったから。

『…』

僕には君にかけられるような言葉が無いから。

君がよく知っているユニフォームを着て。

君がゴールを決める度に抱き締めてくれた、少し大きな緑の顔で。

今度は僕から抱き締めよう。


お疲れさま

元気にしてた?

ちょっと老けたんじゃない?

でも眠そうなのは変わってないね

向こうはどうだった?

君のことだから英語、苦労したんじゃない?


それと一番言いたい言葉を両腕にこめて、力いっぱいぎゅーっとしよう。

だから君はあの懐かしい顔でただいまと笑ってね?





-あとがき----

はい、ということで相手はパッカくんでしたー!!

…いや、あの、はい。分かりにくいかもですが、パッカくんだったんです←

達海さんは他の方もおっしゃってますが、パッカくん大好きだと思います。
ゴール決めたら勢いで抱きつくのは普通だったんじゃないかな。気が合いそうだし。

パッカくんも同じで達海大好きだったと思います。
で、中の人が10年前と一緒だったら達海が帰ってくるの絶対喜ぶと思うんです!!パッカくんは達海に対して理解者…ではないけど、応援してくれる人物だと思うんですよ!!

…と、大分前に考えたのを思いだし、今更ながらに1巻あたりのネタを書いてみました。

内容的に下手すると病んでるように見えるかな?とか思ったんですが、パッカくんは健全です。鋼のパッカくんです。
『普通に達海を心配していたものだ』と思っていただければ、良いかなと思います。まぁ、CP的には下心あっても美味しいですよね←



ではでは、楽しんでいただけたらこれ幸い。