理由




屋敷の一等高い木から見上げた空は何も邪魔しないのに、やけに息がしづらい。

吸い込んでも吸い込んでも楽にならなくて、苦しいからまた深呼吸を繰り返す。

『旦那の世話のしすぎて疲れてんのかね…』

そう考えるとまた少し肺に重みが増えた。

「…ふぅ」

このまま窒息して死んじゃうのかな。

そしたら旦那の世話は誰に頼もうか…大将は無理だし、いっそ右目の旦那にでも頼んでしまおうか…敵でもあの人は良くしてくれそうだもの。

「うん、そうしよう。旦那、俺様が死んだら右目の旦那を頼るんだよ〜」

我ながら名案だと飛び交う鳥に『どう?良い案でしょ?』と声をかけた。

これで安心。
これで大丈夫。
これで万事解決。

でも…まだ苦しい。

「…旦那、お嫁さんもらってもちゃんとやってけんのかなぁ。あの人生活能力無いから」

「ははは、俺様心配」と笑ったはずの声は何故かか細くて、視界は透明に歪んでいく。

息は、肺は、胸はどこまでも苦しくて…辛い。


『ごめん』

本当は知ってるんだ。
ずっと前から気付いてたんだ。その理由に。

『駄目な忍びでごめん』

苦しいのは旦那のせいだけど、きっと楽にさせてくれるのも旦那だけだって気付いてたんだ。
気付いてしまったんだ。

『ごめん』

多分一生、多生でさえも気付いてはいけないことに、気付いてしまったんだ。


ごめん、旦那
俺は…



「貴方が好きなんです」




おわり


-あとがき-----

ごめんなさい、皆様…orz
めちゃくちゃ突発的に書いたものなんですが…まったく意味がわからない文で申し訳ないです…ヤマダにもいまいちわからない文ですゲフゲフ。

この文は要約すると(要約しちゃったよ)佐助独白で幸村に片思いしちゃって好き過ぎてどうしようもないってお話を書きたかったものです。…書きたかったんです。うん。

…ごめんなさい…orz





楽しんで頂けたらこれ幸い。