▼ 不満
あの後はまあとにかく色々あったようにおもうが特には思い出せない。
ただ迷宮サガンを攻略して欲しいというシンドバッド王のアラジン達への依頼に白龍が俺も行くと言い出してじゃあ俺も着いていく、と言えば白龍は酷く冷たい顔で「綺月は来るな」と一瞥したのだ。
何でだよ、今まで何処に行くにも一緒だったじゃねぇか、直属の従者が共に行かずに誰がお前を守るんだって白龍に言い寄ったが白龍は頭を振るばかりだった。
「ああああああああもう意味わかんね…」
ぼふん、とベッドに倒れ込むと「まあまあ、」とアリババの声がする。此処は勿論俺の部屋じゃない、白龍と相部屋だからってアラジン達の部屋に逃げてきたのだ。
アラジンはベッドの上に座って倒れ込んできた俺の頭をぽんぽんと撫でる。白龍お兄さんにも何か理由があるんだろうからあまり責めないでやっておくれよ。なんて言うアラジンにそんなことはわかってるんだという言葉は飲み込んで短く「ああ、」とだけ返す。
「そうだ、綺月お兄さん。僕に良い考えがあるんだ!」
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