シンドリア王国






長い船旅の末に到着した島国に目を見開く。凄く明るい雰囲気の国だな、と感じながら船を降りれば『八人将』の一人であるジャーファルさんが出迎えてくださった。「ようこそ、シンドリアへ。」そう言って笑う彼の色素の薄い肌や髪を見ていると『白』い名前の幼馴染みを連想して俺も重症だと苦笑した。

なんでもこの国で俺は重客扱いされるらしく、宿泊する部屋も食事も全て王宮で用意して頂けるらしい。ただの従者に気を使い過ぎではないかと苦笑した。

通された部屋にはシンドバッド王が鎮座していて、ジャーファルさんの話によるとつい数時間前にバルバット王国から帰国なされたばかりらしく顔に疲労が浮かんでいた為に手短に用件を済ませようと跪いた。

無事に皇帝陛下からの手紙を渡すとシンドバッド王は俺の頭を撫でて「よく来たね、船旅は疲れただろう?君はこの国に大変興味を持っていてくれたそうじゃないか。どうぞ気が済むまで好きなだけこの国を楽しんでいってくれ」と言ってくれた。

凄く『お父さん』みたいな人だ。





案内された自室で休んでいると、扉が開いて上体を起こせば、赤い髪の少女と青い髪と黄色い髪の少年の計3名がそこには立っていた。

「お兄さんお兄さん、お兄さんが綺月お兄さんかい?」
「……そう…だが。君達は?」
「僕はアラジンだよ。よろしくね、お兄さん!」
「俺はアリババ。よろしくな」
「………モルジアナです」

少女が頭を下げたのを見てこちらも会釈する。そして「煌帝国から来た綺月です。」と何時ものように拳と手のひらを合わせてお辞儀をした。

煌帝国、という言葉に一瞬三人の瞳が揺らいだけれど直ぐにアラジンは笑顔に戻る。そして言うのだ「お兄さん、是非僕たちと仲良くしておくれよ。」










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