「春っち春っち春っち!」
「栄純くん、うるさい」
「…」


青道高校野球部、一年ルーキーズの朝食の様子。


「ちょ、見てくれよコレ!」
「なに?…ただのポテトサラダじゃん」
「いや本当よく見て!コレきゅうり入ってないんだぜ!奇跡じゃね?あんだけ薄っぺらく入ってるきゅうり避けて通りやがったんだぜこいつ!すげくね?!」
「あーはいはい、すごいすごい」
「…よかったね」
「なんか二人して俺を馬鹿にしてね?!」


朝からうるせえなあ、と少し離れたテーブルから一年生を観察しているのは二年生。


「ヒャハッ、朝から面白すぎんぜ沢村!」
「はっはっはっ、沢村と書いてバカと読むからな。ちなみに命名俺」
「いや、それ俺がつけたっつの!」
「いやいや先に口に出したの俺だから命名俺。作者俺」
「いやいやいや俺なんだって、御幸クン」
「いやいやいやいや俺ですよ、倉持クン」
「レギュラーが二人揃ってしょーもない戦いすな!」


『沢村(バカ)』の命名権を巡って火花を散らす御幸と倉持に、前園のツッコミがずびしっと決まる。


「よっ、ゾノ」
「"よっ"ちゃうわ!お前ら、他の部員の模範になるような行動せえ!」
「わーったわーった」
「わかっとらんから言うとんのや!」
「ま、朝からそうカッカすんなって」
「自分らのせいやろが!」


こっちはこっちで賑やかな三人の横には、静かに朝食をとる白州と川上。この二人の周りだけ雰囲気が穏やかだ。


「…川上、こないだのCD」
「あ、やっぱ気に入った?そう思ってダビングしといたから。明日渡すね」
「ありがとう」


以心伝心。さすがは親友同士といったところか。


さて、二年生からさらに少し離れたところには三年生。やはり最終学年なだけあって、落ち着いた雰囲気が、


「亮介えェ!てめ、昨日勝手に俺の漫画持ってったろ!」
「あ、気づいたんだ。さすが」
「ったりめーだ!返せ俺の『HACHI』!」
「うんいいよ、もう目的は果たしたし」
「目的って何だアァ!」
「…純、"知らぬが仏"って言葉、知ってる?」
「怖えよ!」


…流れていなかった。期待するのが間違っていたようだ。青道のスピッツは今日も元気だ。よく言えば。


「純、キャンキャンうるさい」
「うむ。うるさいぞ純」
「うが!(落ち着いてご飯が食べれんぞ、純)」
「お、お前らっ…もう俺にはクリスしかいねえ!クリス!クリース!」


なんだ?


「あいつらがひでーんだよ…ってお前、なんでビデオ回してんだ?」


記念すべき一本目だから、軽く雰囲気を説明しておきたくてな。まあ、そろそろ切るとするか。では、





青道高校は今日も平和です。



「こんな感じでやっていきます、と」
「…俺はたまにお前がわかんねえよ、クリス」
「気にするな。俺の仕事だ」









まさかの語りクリスでした。
亮さん、たいしたことしてません。
純の反応見て面白がってるだけ。←



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