「御幸の野郎、馬鹿にしやがって…!」
「御幸一也!許すまじ!」
「次会ったらシメる。…ま、気ぃ取り直して次行くか」
「そっすね!」
「次はゾノの部屋とかどうよ」
「あ、いいっすね!春っちもいるし!」
「よし、じゃあ行くぞ!」
「どこ行くんや?」
「うわ、ゾノ!」


急に背後から現れた前園に驚く2人。挙動不審な2人に、コンビニ袋を右手に提げた前園はやや呆れ顔だ。


「ヒャハ、ちょうどいいじゃねえの!」
「っす!」
「な、何やねん…」
「まーえぞーのくん、」


倉持がにやにや笑う。


「「トリックオアトリート!」」
「はあ?」
「オラ早くよこせよ。でないとお前の恥ずかしい話、あることないことばらまくぜ?」
「かなり悪質っすよ!さすが元ヤンの倉持先輩っす!」


一言余計なんだよ、とシメられる沢村。それ悪戯やない、嫌がらせや、と呟く前園。


「そないに言わんでもやるわ。ちょうどええし、お前らも部屋来いや」
「部屋?」
「何でっすか?」
「今ちょうど小湊が準備中のはずやからな」


前園の言葉の意味がよく分からないままに着いていく2人。


「小湊、もんたでー」
「あ、ゾノ先輩。…に、倉持先輩と栄純くん?」


3人を出迎えたのは、なぜかエプロン姿の春市だった。


「ま、まさか…春っちの手作り…?!」
「あ、栄純くんたちも食べていくんだ?俺じゃなくてゾノ先輩が作ったんだけどね」
「ゾノ?!お前まさかそんな趣味が…?!」
「はあ?何言うてんのや倉持。関西人なら当たり前やろ」
「…は?おい、それってまさか」
「倉持先輩、この匂いは…!」


奥から香ばしい匂いが漂ってくる。



…かつおぶしや、ソースの焼けるような匂いが。





慌てて倉持と沢村が奥へ駆け込んでみると、コンセントに繋がれたそれは熱をもってじゅうじゅうと美味しそうな音を立てていた。



「「たこ焼きかーい!」」




2人の叫び声は青心寮中に響き渡ったとか。








「何や文句あるんか?美味いやろ」
「いや、美味いけどよ…」
「あーやっぱコンビニまで青のり買いに行って正解やったわー」
「美味しいね、栄純くん」
「おう!…って何かちがーう?!」


結局、違和感を覚えながらもちゃっかりとたこ焼きパーティーを堪能した2人だった。











まあ何が言いたいって
エプロン姿の春市が見たいという←
よく考えたらたこ焼きぐらいで
エプロンいらないんじゃないか。






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