「まずはどこっすかね?」
「そうだな…御幸の野郎にでもタカるか?」
「あ、いいっすね!」
「よし、行くか」
御幸を探して寮内を歩き回る2人。
「何やってんだお前ら?」
「「御幸!」」
「はい、バカ村は"先輩"付けようなー?」
「ふっ…御幸一也!ここで会ったが百年目!」
「倉持、お前なんかキャラ違くね?」
「「トリックオアトリート!」」
一瞬きょとんとした御幸は、ああ、と手を打った。
「そういえば今日ハロウィンだっけか」
「そう!さあ、菓子をよこせ御幸一也!」
「"先輩"なー?」
「オラさっさと出せよ、御幸」
「元ヤンのオーラ出てるぜ、倉持」
「御託並べてねえで出すモン出せっつってんだよ」
「うわー怖。これカツアゲに近いわ…分かった分かった、やるよ」
「まじっすか!」
「ちょい、部屋戻って取ってくるわ」
「急げよ?」
「はいはい」
御幸が自分の部屋へと小走りに帰っていく後ろ姿を、2人は満足げに見送った。"トリックオアトリート"1人目はどうやらうまくお菓子をせしめることができそうだ。
「…遅え」
「遅いっすね…」
待たされること30分。未だに御幸が帰ってくる気配はない。
「見に行くか」
「うす!」
2人して御幸の部屋へ向かう。
「御幸テメェ遅えんだよ…って、え?」
「何だお前ら2人揃って…御幸ならいないぞ?」
勢いよく御幸の部屋のドアを開けた沢村と倉持を待ち受けたのはいつも通りにたむろしている先輩たちだった。
「御幸一也、いないんすか?」
「おう。俺らがここに来てから一回も戻ってねえけど」
失礼しやした、とドアを閉める。
「…と、いうことは…倉持先輩」
「…ああ、そういうことらしいな」
「「騙された!」」
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エイプリルフールでもないのに!
御幸は影から見てにやにやしてます嫌な奴だな。←