降谷くんと付き合うことになった。前々から思っていたけど、彼は不思議な人だ。


「あれだよね?野球部の噂の大物ルーキー」
「やだ、かっこよくない?」
「私、ファンになっちゃうかもー!」


先輩女子を筆頭に、ファンクラブが結成されるほどの人気がある。


「…みょうじさん」
「あ、おはよう降谷くん…よく寝てたね?」
「うるさかったから…何かあった?」
「(アナタのことですよー…)」


何気に、鈍感(特に自分に関することに対して)。


「…まあ、いいや。おやすみ」
「(まだ寝るの?!)オヤスミー…」


寝る子は育つ、の生きた証人。


「降谷ーあ!御幸一也に受けてもらう権利をかけて勝負だあああ!」
「あ、栄純くん。今降谷くん寝て「やんない。…元々、俺のだから」…たけど、起きたみたい」


御幸先輩に関することは、譲らない。


「ふっふっふ…何と!御幸一也の許可は下りてる!」
「!」
「さあどうする?お前がやらねえっつーんなら俺の不戦しょ「やる」そうこなくっちゃな!」


ずもももももも。降谷くんの背後に静かな闘志が燃え上がっている。平たく言うと負けず嫌い。














「次の休みって、いつ?」
「…多分、2ヶ月後ぐらいかな」
「…そっか」


野球で忙しいから、会えるのは学校でだけ。


「…試合、観に来る?」
「え?いいの?」
「練習試合だけど」
「行く!」


野球してるとこも、やっぱりかっこいい。ついでに言うと、ギャラリー(女子)多数。













「…来週の水曜って、何曜日?」
「え?…水曜日だと思うけど」
「…あ、間違えた。何日?」


わりと高い確率で、天然発言。













「降谷くん…す、好きですっ!付き合ってください!」
「悪いけど、君に興味ないから」


ちょっと冷たい一面があると思ったら、


「…覗きなんて、らしくない」
「え、わ、き、気づいてた…?」
「…当たり前でしょ。不安にさせたんだったら、ごめん」
「降谷くん…」
「…ごめんね、なまえ」


やっぱり優しい。たまに私のことを名前で呼ぶ。


「…目、閉じて」
「ん…」


キスするときは、背の低い私に合わせてかがんでくれる。














どこを取っても格好よくて可愛い。でも、たまにすごく距離を感じる。掴みどころがなくてふわふわしていて、きっとその気になったら私の腕なんか楽々すり抜けてどこまでも行けてしまうんだろう。






背伸びしたら届くの?
(大好きだから、どこにも行かないで)













何か私にしては珍しい終わり方じゃないか



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