op夢小説 女主[太陽がこちらを見た]
2014/03/24 00:45

「お前は強くならないといけない」
それが父親の言葉。

「貴女を産んだ価値を見せて下さい」
これは母親の言葉。

「私も兄さんもあんたも居ても居なくてもあの人達にはどうでもいいのよ」「俺達は子というただの駒しかない」
これは姉と兄の言葉。

「死ねェエ!死ねェ!お前ら家族全員死んどけェエ!あ、アハハッ!」

ドスンと頭の中がぐちゃぐちゃになる。血も溢れて出てくる。手も足も骨折しているのだろうか、動かない。あのイかれたアイツが戻って来る前にここから離れないと。壁に支えながらもう一方の足で身体を何とか立ち、足を引きづりながら、歩く。死にたくない、なんて思ってない。こんな家に育ったからかな?あーこんな事考えてたら、頭が朦朧としてきた。考えたって切りが無いほど、一つだけなんだから。
足が限界なのか、前に倒れ込んだ。手で前へ行った数歩進んだが、目の前が何重にもなり、暗くなる。
なんて安心が出来る眠りだ。
ここに居なくて済むんだ。
◇◇◇
暑いその日、
「コビー、島を探索してくるから」

「今日も、ですか?」

「まーね、後は頼んだよ」と手を振りながら、歩いていく。林の中、獲物を捜し、思い出す。ここじゃない島で見つけられ、看病してもらった代わりにこの海賊に居座っている。もう、2年に、なるのかな。あの死んだと思っていたあの日から。
草を切って行く音が響き渡る。随分と遠くに来た。すると、果物なる木を見つけた。こんなところに有ったのか。まぁ、崖の隅にあるのだから、見つけれないよね。持ってきた空の袋の中に詰め込む。果物に感謝し、果物を30個以上詰め込み、上へ登る。さて、帰ろう。
帰りたくはないが、コビーの為だ。
純粋なあの子の為なら

「…なっ、なにこれ、」

「やれている…、誰に?まさか、」

船の方へ行くと走りながら考える。
まさか、あのコビーが?
何かのあの幻の悪魔の実を食べたの?
それとも違う海賊が鎮圧したーー?
船の中に入ると、誰も居ない。可笑しい。
一度外に出ると、ピンクの頭を見つけた。見つけるとすぐさま声を荒あげた。

「コビーっ!!」

小舟を出そうとしていた。
コビーも吃驚していたけど、体ごとこっちに向いた。どこも傷もないと見ると良かった、ホッと一息つく。

「なァ、コビー、
あいつも倒しておくか?」

え?

「だ、ダメですよ!僕の恩人なんです!」

「そうなのかァ?なら、いいや」

ニシシッと笑ながら堂々と立ち、
麦わら帽子の傷がある男、
そんな、馬鹿な。

バキッ、と嫌の音をした後に私の足元が崩れた。ダブルの意味で、言葉を発した。

「うそ、」

「ぎゃぁあ!!大丈夫ですか?!」

頭の中が揺らぐ。
コビーの叫び声でより一層揺らいでしまった。

「あいてて、グラグラするけど、大丈夫だから」

「何だ、お前どんくせェな!」

「ルフィさんが空けた穴が原因ですけどね!」

「そういうことか…」

「いやァ!悪りィな!俺はモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ!」

私は漫画は読まないけど、その漫画の名前と主人公ぐらい知っていた。
そうだ、正しくこの男だ。
少々脳が揺らいでいるが、そう言い切れるのは確かだ。唖然していると、コビーが何か勘違いしたのか、こう語りかけてきた。

「このルフィさんは海賊だけど、とても良い人なんです!だから、倒せなくて良いです…!」

「分かってるよ、良い人そうだ」

「これからルフィさんとここから出て行きませんか?ルフィさん構いませんか?」

「構いねェよ」

「そう、だね。
ここから出て何処かに行くよ」

「僕と一緒に海軍に入りませんか?!
僕も心強いし!」

「いや、私は海賊になった身だ。何人も人を殺めた。暴力をした。だから、海軍なんて行けない」

「そうですか…」

「なァ、お前強いのか?」

「そりゃあ、強いですよ!この海賊でも船長程の強さですよ!」

「ふーん、なら、俺の仲間になれ!」

「は、?」

「ニシシッ、お前のこと知らねェしどんくせェけど、良い奴だそうだし強ェらしいし、気に入ったから、俺の海賊になれ!」

スッと入ってくるその言葉たち。嘘だろ、と思える言葉なのに、感覚で分かる。きっと嘘じゃない言葉で目が開いているだろう。この人なら、ついて行ってもいいかもしれない。主人公だし。バカだし。

「…、よろしく。新しい船長さん」

「おう!」

全く、私も褒められただけでだけで、ついて行くとは甘くなったものだ。

船長に賭けてみるよ。





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