メイドの部屋は一部屋だけどかなり広くて、カーテンで仕切れるようになっていた。


でもみんな仲がいいから滅多なことがなければカーテンは閉めない。


私も皆に馴染んで、すっかり仲良くなっていた。




紹介された後に帰ってきたライナさんとナターシャさん。

彼女らは父の違う姉妹らしく、ライナさんとナターシャさんの間に一人腹違いの兄弟がいるらしい。


ちなみに、ライナさんは童顔だが既に成人しているらしい。

ていうか、すごい巨乳さんだ。


ハンガリーさんもすごいけど…ライナさんはやばい。


歩くたびに、その、揺れるというか。

ばいーんやらぼいーんやら音がするもんだからド変態…じゃない、フランシスさんあたりにはたまらないんじゃないだろうか


しかも彼女はまったく気にしていないからもっとやばい。


メイド服ってよりサスペンダーつきの執事服、ってかんじだし。(彼女の仕事は私のとはちょっとちがうらしい。)

あの胸にサスペンダーは…。うん。


妹のナターシャちゃんはなんと同い年だった。


例のお兄さん―イヴァンさんというらしい―が好きで、どんなとこがいいか語ってくれた。

恋する女の子はすごくかわいいと思う。





「花子ちゃん、お風呂はいりましょ!」


「あ、はい。」


エリザさんに誘われて皆でお風呂。

修学旅行とかぐらいでしかそういう機会はないからちょっと楽しみ。





風呂場はまさに、大浴場だった。


ギリシャっぽい柱に囲まれたそこはメイドとか、召使用のお風呂らしいけど…


「すごいね…」


「でっしょー?あたしも最初はびっくりしたんだぁ!」


「私はそんなに…」


「えっ!?」



リヒテンちゃんの意外な言葉。

あ、彼女の生まれはヨーロッパだからこういうのあったのかなー…。

ちなみに湾ちゃんはアジアの生まれらしい。


「この子ね!実はお金持ちのお嬢さんなのよ!」


「えっ!」


「スイスの会社の子なんだけど、お兄ちゃんが社長で、修行のために、ってメイドしてるんだってぇ!」



り、リヒテンちゃんすごいっ…!!

こんな小さな女の子が、修行…。



「コレも兄様のためです。それに湾さんも中国の社長の親戚なのでしょう?」


「えっうそ!」


「あはは、そんなんじゃないよ!あたしは働く場所ないから紹介して貰ったの!にーにはアーサーのこと嫌いらしいんだけど」


「へぇー」


に、にーにってかわいいよびかただなぁ。



「でも花子さんも立派です。家が苦しいと聞きましたが。家族のために出来るって、すごいですよ」


「え、そうかな…」



私はただ、皆とまた暮らせるのを待ってるだけ。

お父さんたちに比べたら苦しいことなんていくらもない。


それに成人してない娘なんて食わせるのが大変なだけなんだもん。



「そんなことない。花子はちゃんとやってる。」


「ナターシャちゃん…。そういえば二人は?なんでメイドに…」


「イヴァンちゃんがね、ここで働くって言って、ナターシャちゃんも私もイヴァンちゃんがいなくちゃ生きてけないんだ、ね、ナターシャちゃん。


「うん。姉さんはドジだから。私は兄さんの役に立ちたい。」



皆理由があるんだな…。


そういえばエリザさんは?



「ああ…」



エリザさんは、タオルを体に巻きつけ柵のようなものにはりつき望遠鏡を構えて何かを見ていた。


下から見たら18禁ですよ、エリザさん。



「なにみてるんですかー?」


「しっ!今いいとこなのっ!花子ちゃんも見る?そこから上れるわ!」



そこ、とさされた先は白い台のようなものがあった。


18禁にならないよう気をつけながら上ると…



「うぇっ!?」


「しっ!」



男風呂だった。



「ちょ、エリザさん何見て…」


小声で話しかけると彼女の頬は桃色に染まっていた。


「ハァハァローデリヒさんかわいいっ!きゃー熱そうな表情とか萌えー!カメラー!」



視線は一人の男性に向いていた。


お上品な雰囲気をまとっためがねの男性。


線の細い感じの彼はなんというか、貴族だ。



ていうか、フランシスさんもいるし、他にもたくさん見たことのない人がいる。



「ナターシャナターシャ!イヴァンさんいるわよ!?」


「ほんと!?」



エリザさんがナターシャちゃんに声をかけ、彼女は忍者のごとく柵にへばりついた。



「はぁはぁ兄さんその凛々しい体で私を抱締めてああん兄さんにいさん兄さん結婚けっこん結婚ケッコン結婚結婚血痕…。」





ハァハァする二人はまさにド☆変態成人エロティックフランシスの如く、だった。















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