「…たしかに混浴は許可したけど…」



胸の大きな美人ことエリザさんはフライパンを叩きつけた。


「半径1キロ内に入ったらフライパンよ。」



「フロどころか屋敷から出てるじゃねえか!」

「エリザちゃんこわいなあー」


あれから数分後。

楽園やでーと言うトニーさんや胸ガン見してるギルさんやはあはあによによしてるフランシスさんもお風呂に入った。

エリザさんはというと私とギルさんたちの間に入り込み、両手で制している。


けど…エリザさんの胸の方が危ない気がするのは私だけではないはずだ。

ライナさんもだが、動く度に揺れるのがなんとも言えない。

変態ホイホイだ。

今にもタオル落ちそうですよ。少しは気にしてください。



「大丈夫ですよエリザさん。ギルさん巨乳好きですから。寧ろエリザさんが…」


「何言ってるのよ!きっとギルは花子でやらしいことを妄想して…オカズに…ッッ…!あああ耐えられないわ!ちょっとギルそこに正座しなさい!」

「えええ」

「は?!なん…ッ」

「5発殴らせて!」


ガコーンと床にフライパンを叩きつけたエリザさん。

あ、あんなのまともにくらったら…!

し、し…


「う゛わぁ!」


ヒュン、とフライパンは空を切り、ギルさんをかする。

ピッと頬にスジが入り、血が流れる。


「ギルーいけー!」

「エリザさん頑張って!」


様々な声が飛び交い、一方的バトルロワイヤル。


血を見ることになりそうだ、なんて。



「ちょ、アントーニョ助けやがれ!」

「俺も殴られんのイヤやねん。ごめんなー。」


しばらくギルさんが逃げ回り、息が荒くなってきたところでエリザさんは諦めた。

何事もなかったかのように湯につかり、湾ちゃんと話している。

ところでどこからフライパンは出してきたのだろう。


「…死ぬかと思ったぜ…。」

「お疲れ様です。」


ギルさんは私の横に入ってきた。


「お前も俺を友達扱いするなら助けろよな、別に悲しくねーけど」

「…涙出てますよ。」



ツー…、とギルさんの頬を涙が伝うと、彼はお湯だぜ!と頭からお湯を被った。

だが、そうとう熱かったようで、しばらく水を浴びながら頭をがしゃがしゃしていた。



「ギルさんて巨乳好きなんですよね」

「なっ…なんで知って…?!」


あ、好きなんですか。

やっぱり胸はあったほうがいいんだろうか。

エリザさんやライナさんは特盛サイズだからだが…やはり、自信をなくす。


ナターシャちゃんはヨーロッパあたりの人だからか、私たちアジアの人間より大きい。


「はあっ…。」


私の吐いた溜め息が、ギルさんのせいだと勘違いしたのか、ギルさんはとたんに謎の弁解を始めた。


「お、お前もあるほうだぜ!」

「そりゃどーも…。」


あるほう、って…貶してんだかなんだか。

すると、トニーさんが私の肩に手を置いて爽やかな笑顔で言ってのけた。





「大丈夫やで!俺は貧乳の子を自分で育てる方が好きやから!!」



そこまでストレートに貧乳と言われたのははじめてだ。






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ギルのターン!





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