「さーて、言い訳なら聞いてあげるけど…?」
仁王立ちして腕を組むエリザさんの前に日本流叱られ方、正座をする男性陣。
左から、トニーさん、フランシスさん、ギルさん。
そういえばこの三人は仲がいいんだっけ。
下半身にフライパンがクリーンヒットしたギルさんはいまだに涙目。
トニーさんは申し訳なさそうに眉を八の字にしている。
フランシスさんはによによはぁはぁしながらも反省はして……ないな。
エリザさんの下乳を除きこんでいる。
とりあえず石鹸を投げてみたらフランシスさんの額に当たった。
ナイスコントロール!と拍手を受けた。
「あ、あのよ、俺らだって理由がなかったわけじゃねえよ」
「あら、なんなのよ。」
ギルさんは、おそるおそる男風呂であった出来事を話しはじめた。
「えっと、まず俺とフランシスとアントーニョが風呂はいってたんだよ、そんで…」
〜〜〜
俺たちは色々最近あったことを話していた。
主に最近入ってきた新しいメイド、花子の話だった。
「ホント日本の女の子かわいいよハァハァつれて帰りたいよハァハァ」
「うわっフランシスめっちゃ息荒いやん!それよりちっさなったときめっちゃ可愛かったで!調教したいわー」
「お前らそういうのやめろよなー、俺様まで変態と思われちまうぜ」
「お前も変態だ(や)ろ」
綺麗にハモられたのがむかつきつつ、俺は首に下がるクロスのネックレスを見下げた。
銀色に輝く其れは、かなりいいものらしい。
「せや、ギルえらいそれ大事にしてるみたいやけどどうしたん?今日買ったん?」
「花子ちゃんと行ったんだろ?いいなーお兄さんもいきたかったなー」
「お前が頼んだんだろ。アイツがくれた。」
そういうとありえへんわー!とか詐欺だー!とか金返せーとか死ねーとかいう声が飛び交った。
つけられたときが一番まぁ…ドキドキしたが、いや、ドキドキなんてしてねえぜ!
あ、あんなガキに…な!
「それよりさ、なんかゆれてないか?」
「…へ、地震かいな」
「…確かにな…」
お互い、顔を見合わせると、脱衣所のドアのほうを見た。
大きな影と、小さな影。
ガラリと開いた先には、なんとなく予想していたがイヴァンと部下三人組がいた。
「うわぁーフランシス君たちだ、ふふふ、一緒に入っていいかな?」
「イイイイヴァン!!お、俺らは出るから!な?ちょ、ちょっとまって!ちょっと待ってくれ!」
ケセセ、フランシスのおびえ方面白すぎるぜー。
でもぶっちゃけ俺もコイツは嫌いだ。
「…い、イヴァンさーん…コートはちゃんとなお…ぎゃっ」
遅れて歩いてきた…なんだったか、ライヴィス?
そいつはドアのうちから現れたかと思えば足を滑らせ、イヴァンのケツにつっこみ、イヴァンの腰のタオルを剥ぎ取った。
そしたらまぁ、当然といえば当然だが立派な其れが外気にさらされ、フランシスとアントーニョが「うわー」と声を上げた。
なにが「うわー」なのか、それは…
コイツのこの後だ。
俺たちはそそくさと男風呂を出た。
脱衣所からは「ライヴィスゥゥゥゥゥゥ」という叫び声と「コルコルコル」という低い声と子供の叫び声だった。
がんばれ、ライヴィス。
その後、俺たちはどうするか考えた。
湯に使っただけでなんもしてねえし、コレだけであがるのはいやだ。
もともとシャワーしかあびなかったのに、なんでかすっきりしない。
そこで、アホのフランシスがこんな提案をしやがった。
「なぁ、女風呂にいかないか?」
俺もアントーニョも反対した。
なんでって、そりゃ楽園だろうよ。
でも…あそこにはエリザが居る。
そうなれば俺は明日日を拝めるか…!
そんな意見も、却下され、下半身にタオルを巻いただけの俺とアントーニョはフランシスに引き摺られて女風呂にやって来た。
…そして、この様だ。
〜〜〜
「…なるほど。」
「流石兄さんだわっ…」
「だからって…ねぇ?」
それぞれの意見もある中、私たちは相談の結果、まぁタオル巻いてるしいざとなればフルボッコにできるし、ということで混浴を許可したのだった。
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