「あーっ!つかれた!」
今日は、ギルさんと買い物にいき、書庫を掃除し…ここに来てから一番仕事をした気がする。
特に書庫の埃の量が半端なく、いまでやっと半分、明日も書庫の掃除だ。
湾ちゃんとリヒテンちゃんとやっていたが…あれは大変だった。
メイド室でくつろいでいると、庭をトニーさんといじっていたライナさんと、廊下掃除をしていたエリザさんとナターシャちゃんが帰ってきた。
そういえば、久しぶりに同じ時間に終わったな…。
仕事がちがうから終わる時間も違う。
久しぶりにみんなとお風呂入れるかな!
「ね!お風呂入ろうよ!」
私が思っていたことを、湾ちゃんがそのまま代弁した。
脱衣場で服を脱ぎ、タオルを持って中に入って、私たちは会話を始めた。
「ねえ、花子!アーサーさんとはどうなのよ?」
「あ、それ気になってました。」
他愛もない話をしていたはずなのに、湾ちゃんの一言で私を除くみんなの目の色がかわった。
興味津々、といった風にギラギラ輝いた目だが、ホントになにもない。
「子供になったときとか、どうだったの?」
とか
「アーサーさんに間違えてお酒持っていったんでしょ?どうだった?」
とか。
やましいことは何もない。
でもそれじゃ彼女らは満足しないんだろう、あらぬ妄想をされ私はどうなるのか、目に見えている。
だけど変なことを言うわけにはいかず、私は彼女らからのセクハラに近い尋問に耐えた。
しばらくそんなやり取りが交わされたあと、
「あれ、なんか物音しないかしら?」
エリザさんの一言が出た。
…言われてみれば、と耳をすませる。
脱衣場の方から?聞きなれた声と、布の擦れる音…。
「…なんかおかしい。みんな、タオル用意!」
エリザさんの一言でバスタオルを体に巻き付ける。
ガラリ、と脱衣場のドアが開いて、少しは考えたが、考えることをやめた、その事実が目の前にあった。
一言でいうなら、男性陣が入ってきた。
下半身にタオルはある。
だが、問題はそこじゃない。
それを論ずる前に、私にはしなければいけないことがあるのだ。
シャンプー、リンス、コンディショナー、石鹸。
私らはそれらを手にとり…
投げた。
向きは決まっている、北の方角、男性陣のいる…脱衣場に向けて!!!
「死にさらせギルベルトー!」
「最低です…!!」
「兄さん以外に見せるものじゃないのよ!!」
「うぇっ…えいっ!」
「覗かれるのは夢小説の中だけでいいわ!」
「覗き反たぁーーい!」
投げられたものはすべて男性陣にヒット。
ギルさんはエリザさんにフライパンを投げつけられ足じゃない下半身に当たっていた。
半泣きだった。
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