「おいしいー!!」

「当然だろ!フェリちゃんのティラミスだぜ!?」

「ギルさんがなんで偉そうなんだよ」

「花子ちゃんこわいよぅー」

「フェリちゃんかわええええ!!」


イタリア料理店、ヴァルガスにやってきた私とギルさんは、フェリさんのティラミスをご馳走になっていた。

さっきロヴィさんに作ってもらったピザもだけど、すっごくおいしい。


「おまえ、俺のパスタはどうだったんだよ…っ」

「すごくおいしかった!ほんと二人とも何処に嫁に出しても大丈夫だね!」


嫁ってお前、とギルさんに突っ込まれたがスルーを決め込んだ。

やっぱり二人は旦那より嫁タイプなんじゃないだろうか。


「フェリちゃーんロヴィーー!パスタつくってえなー!」


「あ、お客さん?」


まずい、と思いドアに目をやると、割と見慣れた人だった。


「トニーさん!」

「あー花子ちゃんやんかーどないしたん?」


そういえばロヴィさんとトニーさんて知り合いなんだよね。

トニーさんが育てたって。


「おいトニーてめぇ!俺様を無視すんなよ!」

「あ、ギルおったんや。ごめん気づかんかったわ」

「それが天然っつーんだからてめえはむかつくんだよ!」


あれ、ギルさんとトニーさんて仲よさげ?
ていうかフランシスさんにトニーさんは頼まれて野菜作ってるし、フランシスさんはギルさんに車出してって言えるような関係で…。


「あの、トニーさん。どへんた…じゃない、フランシスさんとギルさんとトニーさんて仲いいんですか?」

「おう!そ」「ギルさんには聞いてない」


言いかけたギルさんを遮って、トニーさんへ視線を戻す。

なんか、ギルさんていじめたくなる感じだ。

Sに目覚めたかな、私。


「俺ら学生時代から日本おってんけど、三人だけしか外人おらんから浮いとってな、浮いてる同士でなんか仲良くなっとってん。」


なんでかみんな勤め先おんなじやしね、とニコニコと笑ってトニーさんは答えた。

相変わらず笑顔が素敵だと思う。
こんなお兄ちゃんが欲しいよね、疲れたらおまじないしてくれるような…。


「トニーさんてお兄さんか保父さん向いてるんじゃないですか?」

「そうかなぁ?俺そんなん意識したことないわー」


ああ、笑顔がまぶしいです!大佐!

土の香りはしないものの、健康的にやけた肌に笑顔はスポーツしてたら無敵だと思う。

なんかサッカーとかうまそうだなぁ…。


「せや!フェリちゃんにロヴィ、はやくパスタやってえな!ほら!あとトマトお裾分けやでー」

「わートニーにいちゃんありがとー!」

「俺が超おいしいトマトパスタ作ってやるぞこのやろー!」


そういえば、今何時だ?

トニーさんは昼ごはんを食べにきたんだから…

って、


「うわあヤバイギルさん早く帰ろうぜ!」

「お前俺の友達かよ」

「え、違うんですか」


そう答えるとげんなりした顔をされた。

お前、最初と印象ちげえな、と苦笑されてちょこっとむかついたので脛を蹴ってやろうかと思った。

こんなことアーサーさんには出来ないけど、ギルさんには妙な親しみやすさがあった。











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