源田くんはとても背が高い。

私からしたら鬼道くんですら大きいので、源田くんなんかとんでもなく高い。

今年で20になる従兄のお兄ちゃんと同じくらいかな、いや、そんなに高くないかな。

髪のこともあるし、佐久間くんともあまり変わらないのかもしれないけれど、私からしたらいかなる理由があろうとも源田くんはとても大きい。

なにが言いたいか、というと、目の前にいる彼が私に影を落とすほど背が高くて、威圧感があると言うことだ。


「…え、と…げん、だ、くん。」

「…。」


さっきのさっきに、少し仲のいい佐久間くんに呼び出された。

それは、佐久間くんを経由しただけの源田くんの呼び出しだった。

私はこうして人気のない階段の踊り場で彼が私を呼んだ意味を話すのを待っているのだ。

彼は、なにか照れたように頬を赤く染め、私に視線をあわせようとせずにオレンジのラインの引かれている頬を人差し指の指先でかいている。


人差し指を見るだけでもあきらかだが、私と全然ちがうゴールキーパーの大きくてごつごつした手は彼がいかに頑張っているかを物語っているようだった。

源田幸次郎という男を観察していると、とてもかっこいい男なんじゃないかと思う。

何度もいうが背はとても高いし、顔も、私は佐久間くんの方が好みだがなかなか大人っぽくてかっこいいと思う。

性格の程は詳しく知らないが、こうして時々見ていると悪い人でないことは分かった。



「あ、の」



源田幸次郎観察をしていると、ようやく、というか。

源田くんが口を開いた。




「好きです」





あまりに唐突だとは思ったが、気が付いたら返事をしていた。









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