「アンダンテ」

「は?」

「君のリズムだ。」


隣の席の音村は私にそう言った。

は?リズム?なんの話よ?


「それ」

「は?」

「シャーペンを振るリズムだ。」


たしかにさっきからシャーペンを揺らしているけれど。

まさか、これがアンダンテだとでも?


―――いや、たぶんそうなんだ。



「じゃあこれは?」

少し指先の動きを早めた。

「モデラート」



指先を揺らしながら音村は答えた。




「すごいね。」

「そうでもない。」






ちなみに、


音村はつけたした。








「俺の心臓の早さは?」







音村の手がわたしの腕をつかんで左下の胸板にわたしの手を触れさせた。










「…はやい」








「ああ、測定不可能だ。」













(君が俺のリズムを狂わせる。)

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アンダンテとアルデンテって似てますね


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