「ねえねえ、漫画くん。」
「え…なんだい?」
僕が、次の夏の祭典用の原稿を書いていると、とても可愛い女の子が話しかけてきた。
透けるような白い肌、
細いけど絶対領域のむっちり感の感じさせる足、
天を見上げる睫毛、
それに縁どられる瞳、
ミラクル☆ななちゃんに似てるなあ
でも“みゆたん”コスも似合いそう…。
そんなことを考えると、彼女は不安げに顔を覗き込んできた。
あ、この間したギャルゲーのりかちゃんみたい。
でもこの子、どうしたんだろう。
見た感じはパンピだし、だからといってオタクキモイと言うようにも見えない。
たまに“○○の絵かいて”なんていう子はいるけど…
なんだか違う気がするし。
「漫画くん、それ…夏コミの?」
「え…う、うん。」
彼女は、僕が両手で隠していた原稿を指差して言った。
夏コミ知ってるんだ…。
いや、でも最近はそういうの普通っぽいし、特別驚くことでもないかな。
「ミラクル☆ななちゃんのだよね?かわいいなあ」
「!」
さ、さすがに、ミラクル☆ななちゃんを知ってるのはびっくりした!
だって、僕らの間でもマイナーな部類に入るジャンルなんだから!
しかも、ななちゃんもかわいいけどルカちゃんもツンデレでいいよね、なんて言い出す仕舞い
。
だから僕の中での彼女がパンピというイメージは崩れ差っていったんだ。
「私、あんまり詳しくないけどミラクル☆ななちゃん好きなんだ。マイナーなんだけどね、漫
画くんなら知ってるかな、って。」
前から話してみたかったし、
えへへ、と笑って言う彼女は、どんな二次元の女の子よりもかわいくみえた。
(胸が高鳴る、)(萌えとはちがう)(この感情)