保健室のベッドの上、真っ白な天井、薬品の臭い、カーテンでしきられた世界
「あの、鬼道くん。」
「なんだ。」
頭痛がしたから保健室に行ってみた。
熱は38.4℃だった。
ベッドで寝るようにいわれた。
先生が職員室にいった。
寝た。
起きた。
鬼道くんが上にいた。
上っていうか、なんていうか、密着してる。
足は絡まってるし鬼道くんの腕は私の腕と私のからだの間をとおって私の背中。
顔は私の貧相な胸の間。
呼吸するたび息が当たるのではずかしい。
ゴーグル痛い。
ちょういたい。
「鬼道くん、は、恥ずかしいな」
「俺は幸せだ。」
し、幸せ?!
私の貧相な胸の微かな谷間に顔を埋めてなにが幸せなんだろう。
鬼道くんの幸せはわからないなあ。
おかねもちだからかなあ。
ぐりぐりと顔を押し付けてくる鬼道くん。ゴーグルいたい。ちょういたい。
「鬼道くん。ゴーグルいたい。」
「悪い」
ゴーグルを指先でつんつんさわった。
鬼道くんは、ぷはあ、と顔を私の谷間(理想)からあげて、ゴーグルをはずした。
赤いつり目が私の目とかちあって、私は顔をかれの目よりあかくした。
にやり、