これ以上刀を振り回されると危ないので、刀を取り上げて、正座で対談。 徳川家康は現代ではもう死んでます、と言うと彼は落ち着いたらしい。 「…とりあえず、何処に住むおつもりで…?」 そう、彼がもし死んでここに居るのなら、何かあるまでこの世界で生きていかなければいけないということだ。 戸籍が無いから身分証明も出来ない。つまりは家も仕事も手に入れられないということだ。 極め付けには彼は戦国武将だという。 彼にとってそれは嘘混じりっけのない真実だったとしても、現代人にそれを言ったとして通用するとはおもえない。 つまりは彼はこの世界で1人で生活していくことが不可能だということだ。 ――――と、なるとやっぱり彼には保護者が必要な訳だが、それをすることが出来る人間というのは極々わずかな限られた人間だけだ。 そう、彼の正体を一応は理解した―――私しかいない。 「城はもう、ないのだろう」 「あるっちゃありますけど…住めませんよ。」 なんとなく分かっていた。 これはオカルトエスパーなど不思議好きな友達が言っていたトリップというやつなんじゃないかと。 その友達の妄想は、まず何者かがトリップしてくるという時点では現実味皆無だった。 けれど、その他においてはすごく正当な意見だったのを覚えている。 たとえば…トリップしてきた人間の扱いだとか。 「あの、三成さん」 「なんだ」 「此処にすみませんか」 ←→ |