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その後、三成君との会話は以外にも結構続いた。
中学では剣道部で、全国大会に行くほどの実力だとか、秀吉さんと半兵衛さんが三成君の命の恩人だということとか。
見た目は怖いけれど、半兵衛さんや秀吉さんが言ったとおりわるい子ではなかった。
ちょっととっつき難いところがあるけれど、意外とかわいいところもあるし。
そうこうしているうちに気が付けば夜の7時になっていて、夕食を作るのを手伝おうと思っていたのにすっかり忘れてしまっていた。
どうしよう!と洩らすと、三成君が「半兵衛様が貴様の歓迎会だといって張り切っていたからそんなに気に病むことは無い」と言ってくれた。
やっぱり、いい子だ。
そうこうしているうちに、いいにおいが漂ってきたので、私達はその匂いの元へ向かった。





「半兵衛様、」
「ああ三成、名前ちゃん。今呼びに行こうとしていたんだよ。」
「お手伝いできなくてすみません。」
「いやいいよ。今日は僕が作りたかったんだ。君の歓迎会も兼ねてね。」

本当に三成君の言うとおりで、私の好きな料理が所狭しとならんでいた。
いつの間にリサーチしたんだろう。

「張り切りすぎてちょっと多めに作っちゃったよ。まぁ秀吉がいるし余ることはないだろうけど。好きなだけ食べてね」
「はい、お言葉に甘えます。」
「三成、君もたまにはしっかり食べなきゃダメだよ」
「すみません、」


秀吉さん、半兵衛さん、私、三成さんの順番に時計回りに座っていただきますをする。
三成さんはやっぱり小食で、私よりも食べる量が少なかったが、秀吉さんに言われると色々なおかずに箸を伸ばし始めた。
私はというと半兵衛さんの料理の腕に感動しつつ、いろんな料理を味わった。
私も最低限の料理はできるけど、ここまでじゃない。
今度時間があったら教えてもらえないかなぁ。


「そうだ名前ちゃん、一つ大切なことを言い忘れていたんだ。」
「え?なんですか?」

半兵衛さんが箸を止めて私に話し始める。
そんなに大切なことなんだろうか、私も箸を置いて聞いた。

「実は、君を呼んだ理由の一つでもあるんだけどね。秀吉は結構忙しい身だろう?」
「はい」
「だから家を開ける事も多いんだ。短くても一週間、長くて半年、いやたまに一年くらい。」
「えっそうなんですか」
「うん、それで名前ちゃんは料理ができるだろう?」
「一応…。半兵衛さん程ではないんですけど」
「三成は見ての通り言われないと食べないんだ。だから酷いときは秀吉が帰ってくるまで食べない。」
「えっ!?」

驚いた。それは死んじゃうんじゃないんだろうか!
三成君は少しばつが悪そうな顔をしている。

「まぁそんな一年ずっとって訳じゃないから安心して、三成の友人がちゃんと食べさせにきてはくれるんだけど、その友人は体が悪くてね。あまりこれないんだ。だから、」
「私に三成くんのご飯を食べさせる係りをしてほしいってことですか?」
「そう。簡単に言うとね。まぁそれだけでもないんだけど…。お願いしてもいいかな?」

半兵衛さんは少し首をかしげた。
うちの両親だって、秀吉さんほどではないけれど家を開けることはよくあった。
そんなの、お安い御用だ。

「勿論です!」
「そうか、よかったよ。三成、ちゃんと食べるんだよ」
「はい」





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