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半兵衛さんと秀吉さんの出張から数日、そろそろ食料が底をついてきた。

「やっぱり買いにいかなきゃいけないよなあ」

ホームルームが終わり、皆がガタガタと席を立ち部活などへ向かう中、私は1人メニューを考えていた。
冷蔵庫の中身もマトモなものがなくなってきた為、そろそろ買出しへ行かなければいけないのだけれど、流石に1人で行くのはキツイ。
三成君に手伝ってもらえればいいんだけど、部活だしなぁ。

「…どうした」
「え」

私がうんうんと唸っていると不振そうな顔をした三成君が声をかけた。
あれ、部活に行っていると思ってたのに。恥ずかしいところを見られた。

「部活は?」
「今日は休みだ。」
「そうなんだ…。」

どうやら神様は私に味方したようです。
と、いう訳で三成君に買い物に付いてきてもらうことにした。
最悪、断わられるかと思ったけれど貴様のためじゃない!秀吉様と半兵衛様の為だ!というツンデレテンプレート台詞を吐いて付いてきてくれることになったのだ。
やっぱり三成君てなんだかんだで優しい。




近所のスーパーに2人で入店。
自然に買い物かごを持ってくれる三成君は半兵衛さんの教育が行き届いているというか、紳士的だというか、なんというかさすがだった。
ありがとう、と言うとよくわからない、という表情をしたので恐らく無自覚なんだろう。

恐ろしい子…!



「夕食なにがいい?」
「何でも構わん」
「いやきまって無いんだよね…。あんまり豪勢なのはできないけど…なんか希望ない?」
「…ならばカレーがいい」

前もカレーだった気がするのは気のせいだろうか。
いや、三成君がカレー好きなだけ?
とりあえずカレーに必要なものをかごの中に入れていく。
あと、お弁当用の冷凍食品とか。


「こんなもんでいいかな…あ」
「あ」


ふと顔を上げると横には数日前に見た猿飛先輩が茶髪の男の子を連れて買い物をしていた。
なんというか、物凄く…

「オカンだ…」
「えっ何名前ちゃん…俺様よくそう言われるけどなんか名前ちゃんに言われたらちょっと傷ついたんだけど…」
「えっすいません」

三成君と後ろの少年は初対面じゃないらしく、真田、三成殿、と名前を呼び合っていた。
…もしかして、彼が旦那って呼ばれてる幸村先輩?

「あー紹介するよ。俺様が居候してる家に一緒に居候してる真田幸村。ホラ前に旦那って言ってた人だよ。」
「クッキーあげてた…」
「そそ。んで旦那、この子は豊臣さんトコに居候してる苗字名前ちゃん。料理部の新入部員だよ。前言ってたっしょ」
「おお!そなたが苗字殿!お初にお目にかかりまする!俺は真田幸村でござる!」
「えっと苗字名前です…佐助先輩にお世話になってます。」

やっぱりビンゴ、幸村先輩だった。にしても声でかい…。
っていうか、幸村って苗字だと思ってた…。
じゃあ正式には真田先輩になるのか。
にしても、先輩なのに丁寧な方だ。

「それはそうと佐助、時間は大丈夫なのだろうか」
「あっやばい大将待たせてるよ!じゃあね名前ちゃん!」
「失礼致す!三成殿、苗字殿!」
「あっはいさようなら」


猿飛先輩と真田先輩はスーパーの中にもかかわらず全速力で駆けていった。
というか、正式には全速力で走る真田先輩を猿飛先輩が旦那!走らないの!と言って止めるために追いかけていた。


「…親子みたいだ」


…と、私達もそろそろ帰らないと。
買ったはいいけど料理する時間がなくなってしまう。


真田先輩…なんかおもしろそうな人だったなあ。















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