10 部活見学期間に入っているらしく、最初から剣道部に入ると決めていた三成君は部活で、私は1人家に帰ってきた。 といっても途中まで鶴姫ちゃんと一緒だったけれど。 さて、こうしてゆったりしている暇も無い。 今日は私が夕食を作らなければいけないんだ! 「何にしよう、カレー…かなぁ?」 冷蔵庫の中身には一応カレーが作れる材料はばっちり入っていた。 もしかしたら半兵衛さんが作ろうと思っていたのかもしれない。 とりあえず、今晩のメニューはカレーに決定だ。あまり手がかからないし。 そうときまれば家事だ。 溜まっていた、といっても昨日今日の分の洗濯物を洗濯機にぶち込んでボタンを押して洗濯機を回す。 お風呂にもお湯を張って、今するべきことはとりあえず終わった。 今はボタン一つで何でも出来てしまうから、家事もあまりない。 「カレーの下準備でもしておくかぁ」 そうこうしているウチに三成君も帰ってくるだろうし、帰ってきたらすぐ食べさせてあげたいし。 私はカレーの準備に取り掛かった。 * 予想的中、カレー完成間近というところで三成君が帰ってきた。 部活をしてきたんだから当然なんだろうけど、少し髪が乱れている。 「お帰り三成君。ご飯できてるけど先お風呂はいる?」 「…飯が出来ているなら先にそちらを食べる。」 三成君はあまりご飯を食べないと聞いていたけど思っていたよりもちゃんと食べる。 量は確かに少ないけれど、聞いていたよりも安心した。 とりあえずご飯とカレーをお皿によそって、夕食の準備。 我ながらなかなかよく出来たと思う。 「今日の夕食はカレーか?」 「うん、カレー嫌いじゃないよね?」 「…あぁ。…どちらかというと、すきだ」 おお、三成君はカレーがすきなのか。 初めて会ったときは好きな食べ物などない!って言ってたのになぁ これもあれかな、進歩? 「いただきます」 「頂きます。」 ん、いい感じに野菜も柔らかくなってる。 思っていたよりも美味くできた。 三成君を見ると単調にパクパクと口にスプーンを持っていって食べている。 食べ方、綺麗だなぁ。姿勢いいし。 そういえばここの家の人皆姿勢いいしなぁ。 私も見習わなくては。 「…えっと、おいしい?」 「うまい」 そうこうしている内に三成君はカレーを全て食べ終えた。 まだちょっと残っているし、明日もこれでいいかなぁ。 三成君は何日カレーまで許せる人なんだろう。 「三成君何日までならカレーいける?」 「腐ってなければ構わん」 それだけカレーがすきなのか、食に無頓着なのか。 多分後者だろうけど、よかった。 「お風呂沸いてるから、先はいって」 「分かった。」 あれ、なんか新婚みたい。そんなに熱くないけど。 −−− ←→ 表紙へもどる |