「ちょっと、や、やめてよ!」
「悪ィ、我慢できねェヨ」
「絶対悪いって思ってな…ン!」

デートの帰りに電車に乗って、私の荷物を太腿に乗せた荒北が唐突に手を握ってきて、何かと思えば紙袋を障害にして『ソレ』をつかまされた。
ソレって何かって、言わせないでほしい。私だって女子大生といえど、そんな卑猥な言葉を平気で口に出来るほどただれてはいないから。
人気のない、快速ならすっ飛ばしてしまうような駅で降りさせられて、連れ込まれたのは男子トイレだ。
ちなみにこの駅には縁もゆかりもなく、用事だって何もない。強いて言うなら、荒北が『ヤり場所』に決めたということだった。
あまり綺麗な駅ではなかったのに、トイレだけは最近工事されたばかりなのか、壁は白くぴかぴかだ。臭いもあまりきつくなく、それだけになぜか安心した。
後ろから抱きすくめられ、左手は私の口の中に、右手は太腿をなでてスカートの裾を持ち上げる。
二本の指が咥内を荒らし、零れた唾液が洋式便器の蓋にべたりと落ちた。汚い、そう思う暇もなく、下着の上からなでられたそこに反応して揺れた足のせいで、膝がガツンと洋式便器にぶつかる。

「ふあ、ほはえ、ほぁ」
「何てェ?」
「っは、ふ、…ば、ばしょ…かえよ」
「ヤダ」

口の中から抜かれた手は私の服をキャミソールごと捲くりあげ、唾液がベタベタとお腹につく。
自分のだから今はなんとも思わないが、後で文句を言うことになるだろう。
下着を無理矢理持ち上げ形を確かめるように包んでから、やわやわと揉む。普段は乱暴なくせに、こういうときの手つきだけが優しくてなんだか笑えた。

「や、やすとも…?」
「何ィ」
「こっちは、いいの?」

私の身体を触りっぱなしで、もともとコレを収めるために来たはずなのに。
後ろ手に先ほど触らせられたばかりの熱を持ったそこに手を宛がうと、ぴくんと僅かに反応する。
お返しとばかりにチャックを下げて下着越しに触ると、耳元で囁くように荒北の口から声が漏れた。

「…なまえチャン、そゆの、どこで覚えンだヨ…」
「はは、ナイショぉ」

少し顔を動かし、靖友の顔を見ると耳まで真っ赤になっている。気持ち涙目にも見えるようなそれに、私の中の何かが突き動かされた。

「ね、靖友…口でやってあげよっか?」





ツイッターリクエストその2



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