「痛いか、なまえちゃん」
「ん、あっ、はぁ、んん、じん…」
「…すまないな、加減してやれなくて」

体を揺さぶられて、尽八くんのが奥にいっぱい当たってる。
尽八くんは気持ちいいかとか、大丈夫かとか、ちょっとでも呻き声を上げれば痛くないかとか、すっごくたくさん声をかけてくれるのに、私はその一つにも返事が出来ない。
もう自分のじゃないみたいな身体と襲ってくる快感がごちゃまぜになって、もう自由が効かない。
口ですら制限できなくて、抑えようとしても言葉にならない声が次々と漏れ出して、だから手で抑えようとするのにその手も尽八くんに絡められていて、ただただ尽八くんの部屋の壁が厚いのを願うばかりだ。
目を細めた尽八くんを見ていたら恥ずかしくてどうにかなりそうなので、わざと目をつむったり壁の染みを見たりして、紛らわせている。
それでもキスの時だけは向き合わなきゃいけなくて、尽八くんの顔を見ながら突かれると本当に飛んでいっちゃいそうになる。気持ちいいんだ、だって。
尽八くん、尽八くんと名前を呼んだ数だけ私の名前を返してくれて、もうずっとそのまんまだ。尽八くんが私の体を強く抱えて、ひときわ奥に押し込まれ、それから震えた。
いっちゃったのかな、ずるりと尽八くんがいなくなって、それからゴムが抜かれた。
端っこを結んでぽい。尽八くんはベッドサイドのティッシュで汗なのか私の液体なのかよくわからないものを拭ってから、私を抱きしめて眠った。
男の快感は一瞬で終わるらしいが、女の快感はやんわりと収まっていく。
まだ熱をのこしまままの私と、すっかり冷め切って満足げな尽八くん。
長いまつげがむかついて、鼻に噛み付いてから私も眠った。



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