手嶋純太


いつも思うけど純ちゃんはずるいと思う。ずるいというか、ずる賢いというか。いつも遠回しに言って核心に着くことを言わないし、私から言わせようとしてくる。

「なまえ」
「何?純ちゃん」
「俺明日仕事休みなんだよな」
「…へえ」
「なまえも休みじゃなかったっけ?」
「うん」
「じゃあお互い暇だな?」
「…純ちゃん」
「ん?」
「…デート、しよ」
「喜んで」

こんな感じに純ちゃんはいつも私にデートの誘いとかを言わせてくる。告白だって私がしたし。
も、もしかしてプロポーズも私からさせられるのかな…?!ぎゃ、逆プロポーズ?それは流石に嫌だなぁ…。

「じゃあ明日、デパート行こうぜ」
「デパート?珍しいね」
「ん、まあちょっとな」

また肝心なことは言わないし…。

「明日、寝坊すんなよ?」

そう言って頭をぽんぽんと撫でてくれる純ちゃん。なんだかんだ優しいから大好きなんだよなぁ…。


***
次の日。純ちゃんとデパートに来ました。
買い物に付き合うのをいつもめんどくさがる純ちゃんが今日は珍しく最後まで付き合ってくれたので素直に少し気持ち悪いねというと頭をぐりぐりされました。痛かったです。

「買った買ったー!
そろそろ帰ろっか?」
「あ、最後に一個だけ寄っていいか?」
「?いいよ?」

純ちゃんに手を引かれるままついていくと、そこにあったのはジュエリーショップだった。

「え、純ちゃん?何買うの?」
「いいから、入るぞ」
「え、え?」

グイと腕を引っ張られ店に足を踏み入れる。た、高そうなお店…!
私達がお店に入るとすぐさま綺麗な店員さんが笑顔で何かお探しですか?と尋ねてきた。わ、私が聞きたい…。

「あぁ、結婚指輪が欲しいんですけど」
「え?!!」
「それでしたら、こちらなどいかがでしょう?」
「ちょ、純ちゃん?!」
「あ、いいですね。
おい、なまえ手貸せ」
「ねえ、ちょっと、」
「お似合いですね!」
「じゃあこれください」
「聞いてって、」
「かしこまりました」

そう言って店員さんが一回奥に入っていく。残された私と純ちゃん。

「純ちゃん、どういうこと?!」
「どうもこうも、指輪買いにきたんだろ」
「な、なんでいきなり!」
「…あーもう、言わないでも分かれよ」
「い、言ってくれなきゃ分かんないよ…!」

そういうと純ちゃんはため息をついて私をみた。いや、私がため息つきたい…!

「なまえ」
「な、何?」
「分かってるだろうけど俺こういうの言うの苦手なんだよ」
「う、うん」
「…一度しか言わないからな」
「うん、」
「…俺と、結婚してください」
「…喜んで、」

店員さんが微笑ましく私達を見てるのは、この際気にしないことにしよう。

20140225
初手嶋さんー!むずいー!
アニメの手嶋さん色気ありすぎ可愛いですね??天使かな??

prev next

「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -