新開隼人


正直に言おう。隼人はヒモの才能があると思う。基本フラフラ遊びに出かけてるし家ではいつもゴロゴロしている。今だってコタツに入ってぬくぬくしてる。これが就活中であろう大学四年生の生活だろうか。

「隼人…あんた大丈夫なの?」
「何がだ?」
「何がって…就職とかよ!」
「…まあ何とかなるんじゃないか?」

…呆れた。この男、本当に将来大丈夫なのかしら。

「なまえ」
「…何よ」
「絶対大丈夫だから、待ってろって。な?」
「……はあ…」

大丈夫に思えないから心配してるんじゃない…。

***
そんな話をして数日。隼人がケーキを買ってきた。しかもホール。
いつもはカットケーキしか買ってこないから珍しいこともあるなと思ってどうしたの?と聞くと就職先が決まったんだと告げた。

「え!!?あんた就活ちゃんとしてたの??!」
「就活っていうかまあ、親戚の叔父さんの会社で働かせてもらえることになったんだ」

だから今日はお祝いしよう、と笑った隼人を見て、私は安心したのか涙が出てきた。隼人はそれを見て優しく抱きしめてくれた。

「心配かけてごめんな」
「本当よ…馬鹿」
「はは、ありがとな」

とりあえずケーキでも食べようということになって、隼人が久しぶりに私の入れたミルクティーを飲みたいと言われたので台所に向かった。

「お待たせー」
「じゃあ食べるか」
「うん!じゃあだすね…って、え?」

箱からケーキを出そうと開けると、そこに入っていたのはケーキではなくて箱であった。サイズは小さくて、指輪くらいしか入らなそうな、箱。

「は、隼人、これ…!」
「就職先決まるまでずっとバイトしてたんだ。
決まった時に言いたくて」
「嘘…」
「嘘じゃない。なあ、なまえ」
「…はい」
「俺と、結婚してください」
「…はい!」

私今、すごく幸せ!

20140225
多分ケーキは…新開さんの後ろに隠れてるんじゃないかな?!
ひなみちゃんが新開さんのヒモ的イラスト描いてから新開さんヒモの才能大有りにしか見えない…


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