泉田塔一郎


最近、塔一郎が冷たい、気がする。確信はないので本当になんとなく、だが私に対して少し愛想がないような感じがするのだ。
もしかして飽きられた?と不安になった私は塔一郎が懐いている、高校の時の友人の新開君に相談してみた。
最近の状況を伝えると新開君はただ笑って心配することはないと私に言った。
何でも塔一郎には塔一郎で考えることがあるのだろう、と。
はぐらかされた感が否めなかったが、なんだかんだ新開君のアドバイスはいつも的確なのであちらからなんらかのアクションを起こすのを待つことにした。


そして、今。


「なまえさん、お誕生日おめでとうございます!」

塔一郎に誕生日をお祝いされている。
…話が吹っ飛んでしまった。一から説明をしよう。
まず、私の誕生日にいきなり塔一郎が部屋へやってきた。そして早く用意してください!と急かされるままに辿り着いたのはすごくお洒落で高そうなレストランだった。
私は脳が追いついていかずちんぷんかんぷん状態になっているといつのまに席に座らされていて、さっきの言葉に戻る。

「え、ちょ、塔一郎?」
「なんですか?」
「こ、これどうしたの?」
「どうしたのって今日はなまえさんの誕生日でしょう?」

一ヶ月前から残業増やしたりレストラン探したりするのが忙しくて素っ気ない態度をとってしまったりしてごめんなさい。と頭を下げた塔一郎にやっと私は私の思い過ごしだったと理解した。流石新開君、これ分かってたのかな。

「それで、プレゼントなんですけど、これ、」
「っ、え、…」

塔一郎に差し出されたのはそれはそれは小さな箱で。よくドラマとかで見るようなものだった。開けてみてくださいと促されて開けると、果たしてそこにあったのは、キラキラ輝く指輪だった。

「と、塔一郎、これ、」
「どうしてもなまえさんの誕生日に渡したくて、ボク頑張っちゃいました」

受け取ってくれますか?そう言って照れたように笑う塔一郎に、私は嬉し泣きをしながら頷いた。

20140225
初泉田君…泉田君分からん…泉田君可愛い…天使かな?

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