真波山岳


山岳と付き合って何年が経っただろう。確か高校三年生の時から付き合い始めたからそろそろ5年になるだろうか。
そろそろ周りにも結婚する友人が増え出してきた頃だ。
そんな中5年も付き合ってるのにまだ結婚しないの?と言われた私は少し不安になってきた。もしかして山岳には結婚する気がないのだろうか。
仕事のない日にはいつも山に登りに行ってるし、家でもゴロゴロしてばかりだし、お洒落なレストランでプロポーズ!とかそういうことをしそうには到底見えない。
もしかして私はこのまま婚期を逃してしまうのだろうか。

「…ねえ山岳」
「何ー?」

不安に思った私は直接山岳に聞いてみることにした。山岳は相変わらずベットの上で雑誌を見ながらゴロゴロしている。
私はベットの端に腰掛けて、山岳に話しかける。

「私たちってさ、付き合って5年になるじゃない?」
「そうだね」
「そ、それで山岳は結婚とか考えてないのかなって…」

そう言うと山岳は雑誌を見るのをやめて私を見つめてきた。しばらく無言で見つめ合う。え、も、もしかしてやっぱ結婚する気なんてなかったのかしら…?!

「え、俺達ってさ」
「さ、山岳…?」
「もう結婚してるもんだと思ってた」
「………え?」

…今なんて言ったこいつ?
結婚?してるもんだと?思ってた?

「ぷ、プロポーズされてないんですけど?!」
「でもなんかもう一緒に住んでるし結婚してるようなものじゃない?」
「そ、そうだけど…」

私だって一応女の子だし、プロポーズとか結婚式に憧れたりするわよ…。
そう告げると山岳は何か考えるような仕草をして、急に立ち上がった。

「さ、山岳?」
「行こう、なまえ」
「どこに?!」
「もちろん、指輪を買いにだよ。
あと式のやつも見に行こうよ」
「え、ちょ、いきなりどうしたの?!」

さっきまでもう結婚してるみたいなこと言ってた癖にいきなりなんだというのだ。不思議ちゃんの思考にはついていけない。

「俺はなまえが好きだよ」
「ちょ、き、急に何よ…」
「だからなまえが喜ぶならプロポーズだって結婚式だってする」

だから。

「俺と結婚しよ?」
「…普通そこはしてくださいでしょ、馬鹿」

今は夜の8時。今から出かけて指輪も式も、決められるかしら。




20140225
真波君は知らぬうちに結婚した気になってそうだよねってひなみちゃんと話したので。真波君可愛い…天使かな?

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