身長の話

「成長期に鍛えると身長伸びなくなるってマジなのかな」
「ハァ?何の話だヨ」
「弟がさ、171cmらしいんだけど。荒北はもっとでかかったよなーと思って」
「ヘェ。まァ確かにオレの方がデカいけど」
「んで調べたら、思春期に筋トレしてたら身長伸びないらしいの」
「ンなモン都市伝説だろ。間に受けんなヨ」
「都市伝説ではないでしょ…ホラ、筋肉作りに栄養使って背が伸びないみたいな。もっともらしくない?」
「確かになァ」
「あ、でも荒北中学の時野球してたんだっけ。野球では鍛えなかったの?」
「まあそれなりにはやってたけど、泉田ほどじゃネェヨ」
「いやー、あのレベルは早々いないでしょ、やっぱりあれかなー筋トレのしすぎなのかなー」
「つかなんでお前はそんな気にしてンの?」
「えー、だって塔一郎が好きになった女の子が身長高い人好きだったらどうしようと思ってお姉ちゃんは不安なんだよ」
「身長だけで決めネェしチビって訳じゃねぇんだからイイだろ」
「いやまあ、私が長身好きなだけなんだけどね」
「は?」
「背が高いとかっこいいよね。アシキバくんとかさ、すごいよね」
「…お前葦木場的なのがタイプなのォ?」
「タイプってわけじゃないけど、かっこいいよねって」
「アー…」
「なになに、荒北くんもおっきくなりたいんですかな?」
「違ェヨバァカ!つーかあんだけデカかったら大変だろ」
「まあ確かに頭ぶつけまくりそう」
「そうじゃなくて」
「?」
「ホラ、キスとかしにくいだろ?」
「…そっち系か」
「どっち系だヨ。だからァ、カレシにするならもーちょい低い方がいいんじゃナァイ?180前後とか」
「ほうほう。となるとやっぱりあれだね。福ちゃんくんくらいだね」
「……」
「え、どしたの荒北」
「別にィ」



「葦木場ァ」
「あれ、荒北さん。なんですか?」
「お前さァ、そんな身長伸びてんの、秘訣とかあんの?」
「ええ、ないですよ。好きで伸びたんじゃないです。身長縮みたいって思ったこともあるくらいですから」
「…フーン」


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