恋人の話


『お分かりいただけただろうか…女性の後ろに…』
「っ〜〜〜!!!」
「ね、姉さん痛い」
「ご、ごめん塔一郎…マジで無理…本気で無理…」
「じゃあもう寝ましょう。寝付くまで一緒にいてあげますから」
「ね、寝付くまで…?!」
「流石に一緒に寝るのは狭いし」
「だっだめ!一緒に!一緒に寝よう!ね!お姉ちゃんのベッド広いから!ギュってすれば大丈夫!」
「でも姉さん暑がりでしょう」
「塔一郎なら暑くない…ね、お願い」
「…仕方ない、今夜だけですよ」
「やった!塔一郎好き好き大好きあいしてる…」


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「ユキ、ボクは姉さんが弟離れできるか不安なんだよ」
「そりゃ、見てればわかるな」
「告白されてもオッケーしてるのを見たことがないし、このままじゃ結婚もしないかもしれないし、でも姉さんには幸せになってほしいんだ」
「…別に荒北さんがいるんだから大丈夫だろ」
「そうなんだけど…そうなんだけど…」
「そうなんだけど?」
「ただで荒北さんに姉さんを預けるのも…確かに尊敬してるし、すごい人なんだけど、姉さんを任せるのは…」
「(ゆうきサンもなかなかだけど、塔一郎もシスコンだよなあ)じゃあ、誰ならいいんだよ?先輩の中なら」
「新開さんみたいに美しくて強い人なら…あとは福富さんとか」
「福富さんはともかく、ゆうきサン新開さんのこと嫌いだろ?」
「えっ、なんで?!」
「いやホラ…うん…それくらい分かれよ!!」
「わからないよ…」
「なにはなしてんの?」
「っわ、ゆうきサン」
「姉さん!」
「ど、どうしたの。聞いちゃまずい話?」
「まずいっつーか…まあそんなとこ」
「まさかまた新開さんに変なこと吹き込まれたんじゃ」
「そうじゃねえよ!あー、ゆうきサンに彼氏ができないから、弟が困ってんだ」
「ちょっとユキ!」
「えっ、そうなの?」
「そうだろ、塔一郎」
「…そうなんですけど」
「塔一郎は…私に彼氏いたほうがいい?」
「いたほうがいいというわけではないんですが、姉さんには幸せになって欲しいんです…」
「と、塔一郎…(きゅん)」
「(あ、ダメだこの姉弟)んで、ゆうきサンの彼氏にするなら誰がいいかーって話してたんだよ」
「ん?どういうこと?」
「塔一郎的には新開さんとか福富さんみたいな人がゆうきサンの彼氏になって欲しいらしいぞ」
「えっ、そうなの?」
「はい…」
「福富くんはともかく新開さんは…」
「姉さんは新開さんが嫌いなんですか?」
「嫌いっていうわけじゃないけど、だって塔一郎がとられそうなんだもん。だからちょっとなー」
「ね、姉さん(きゅん)」
「(この姉弟マジでどうにかしてくださいよ荒北さん…)」


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